2008年07月01日

[ライトノベル]紅 醜悪祭

上下巻にしたわりには,それに見合わないストーリーの短さだったり,本編以外でのトンデモ仕様な下巻の内容に怒りの声ばかりが飛び交っていた3・4作目。

ストーリーの内容はこれまで通り揉め事処理屋の仕事で強敵と対峙することになり,真九朗がフルボッコされつつも,最後は紫へのロリコンパワーでフルボッコしてた相手を叩きのめすという感じ。ちょいとパターン化しすぎじゃないかと思えなくもないが,バトルの比率が高くなっていることでベタな少年漫画的で熱い展開が多かった。

特に熱いのが下巻での,今回のボスキャラである悪宇商会の代表で裏十三家の人間でもある全身サイボーグな少女・星噛絶奈に決闘を申し込むシーン。
それまで崩月の角を出しての攻撃もびくともせず,駅を通過する電車に惹かれても怪我一つせず,圧倒的な力により,まるでターミネーターの如く真九朗を追い詰めてきた強敵を相手に,(ロリコンパワーで威勢がよくなったというのが情けないが)啖呵を切る姿は厨二的にえらくかっこよく,1巻目の<鉄腕>を倒したときのような興奮を覚えた。
ただ,肝心の絶奈との決闘シーンは本編で描かれることなく,闘いが始まるというシーンで終わるのはいただけなかった。

この,いいところで中途半端に終わるという結末は,ネット上でいろいろ物議をかもしてるらしい。それ一つで完全に完結する小説であるならそういう終わり方をしてもいいと思うが,これからも続編が出てくるであろう作品に対して中途半端な結末を添えることは,後々の続編にとってもいいことはないと思うので,いただけない。

これだけならまだ納得はいかないが許容できるのだが,下巻の本編が短い上に,本編と同じくらいのページを使って本来ならファンブックに載せるべき内容をページの穴埋めにしていたのには呆れてものが言えない。

さらに,これの後日談をキャラとか設定とかアニメ化に対する思い入れとかがない人にとっては無用の長物である公式ファンブックに掲載するという暴挙は,商売としては正解かもしれないが,小説家としては大失敗。小説を買ってる人は,小説としての『紅』が好きなのであるということを作家と編集者はまるで思いつかないのか,ラノベファンならどうせ買うに決まっているという,あからさまに足元を見た結果なのか。副題が示すとおり,まさに「醜悪祭」な作品だ。
まぁ,後日談については2,3分の立ち読みでも十分内容を理解できる短さと内容だったのがせめてもの救いか。

なんというか,せっかくそこそこよい評判ももらえて作品に対する信頼を築けつつあるだろうに,それを内容ではなく,やる前から反感を買うが分かりきった販売方法で落すというのは,自分で自分を痛めつけるのが大好きなマゾッ気があるとしか思えない。そんなに罵声浴びせてほしかったのだろうか。

パターン化しつつある展開ながらも,強大にして凶悪な敵との対峙が熱かったり,幼馴染の銀子のキャラがますます映えたり,夕乃が珍しく面白キャラで終わってたり,紫は相変わらずだったりと,とにかく濃くて面白い内容だっただけに,商売っ気によって台無しにされたのはとても残念でしかたない。


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posted by タク at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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