2008年07月14日

[Wii]テイルズ オブ シンフォニア ラタトスクの騎士

ゲームキューブとPS2で発売された『テイルズ オブ シンフォニア』のエンディングから2年後を舞台とした続編。Wiiでもこれまでと変わらないテイルズの操作性を実現しているものの,サードパーティの任天堂ハードでありがちな手抜きの目立つ惜しい作品になっていた。


Wiiリモコンでも変わらぬ操作性

『ラタトスクの騎士』では,Wiiリモコンになってボタンが減ったにも係わらず,これまでのテイルズシリーズと変わらぬ感触で遊ぶことができるようになっている。

街やダンジョンでは,ヌンチャクのスティックで移動,Aボタンで会話などのアクション,Bボタンとポインタでソーサラーリング,+ボタンでメニュー画面を開くことができる。

戦闘時は,Aボタンで通常攻撃,Bボタン+スティックの傾き位置で必殺技が出せるようになっており,AボタンとBボタンでは別々の指で押すようになっているため,これまで以上に通常→技の連携がしやすくなっている印象。
また,防御がZボタンになったことで,コンボをつなげているときでも咄嗟に別の指で防御できるようになっているのは何気に便利。これまでのシリーズでは,攻撃ボタンを押していた指を防御ボタンに移すというワンテンポが必要だったため,より直感的に反応できるようになっている。Zボタンは押しながら移動することでフリーランができるようになっているが,防御とのボタンの併用は,操作に弊害が起きるようなことは一切なかった。
あと,多少気がかりだった+ボタンによるメニュー画面のオープンは思ったよりも悪くなく,慣れれば平気なレベルであったので,操作性に不満を抱くことはなかった。

元々ボタンをたくさん使うというものでもなかったこともあるが,Wiiリモコンのボタンの数で普通にテイルズが遊べるようになっているのには感心する。リモコンのポインターやモーションセンサーの機能についても,あくまで技のショートカットやスティック以外での街やダンジョンの移動方法くらいで,無理にWiiリモコンならではの操作を強制せず,選択肢程度に留めている。

ゲーム的に不向きであるにも係わらず必要以上にWiiならではの操作を入れなかった裁量はすばらしかった。だが,このゲームを手放しでほめられるのはこのくらいしかないという現実もまたある。


作りこみの甘さと『アビス』を越えるロード時間

元々外伝的な位置づけだったことを踏まえても,このゲームには一言で「手抜きすぎる」と思わせるところが散見される。

マップにしても,『シンフォニア』の続編ということでそのほとんどが使いまわし。トゥーンレンダから『アビス』のような見た目になったことでテクスチャの張り替えもあるし,多少のグラフィック向上は見られたが,新規マップが少なかったのは残念。
使いまわしを否定するつもりはないが,新規マップにしても単純な構造だったり,使いまわしのマップと比べて単純な構造でオブジェクトも少ない,テクスチャの作りこみも甘いといった手抜き感が伝わってくるものになっていたのは寂しいものがある。

『ラタトスクの騎士』でもっともひどいと感じたのがイベントシーンとロード時間。

イベントシーンははっきり言ってあきれ返るくらいの不甲斐なさ。キャラクターが棒立ちで会話を続けるだけならともかく,素人が作ったとしか思えないスライドしながら動くキャラクターたち,危機に瀕したときに必ず流れる緊張感の欠片も感じさせないBGM,何か困ったことが起きたらとりあえず主人公を凶暴化させておけという投げやりな演出など,イベントシーンのほとんどが注文された展開をただ作っただけという情熱も感じないものになっている。ただ,途中であまりのやばさに気づいたのか,終盤にいくにつれてマシなイベントシーンも見られるようになり,そこについては満足できる出来だっただけに最初のほうで作られたであろう手抜きなイベントシーンには本当にがっかりである。

ロード時間にしても,悪名高いロード時間を誇る『アビス』を超えるものになっている。
マップの切替はロードを感じないものの,イベントシーンや戦闘に入るときのロード時間が洒落になっておらず,エンカウントする度に3〜5秒は当たり前のようにロードが入り,ボス戦などのイベント戦闘時は5秒以上かかることもざらではなく,テンポが非常に悪い。

GC版『シンフォニア』は初めての3Dテイルズにも係わらずロードを感じなかったし,『アビス』にしてもマップの切替がひどかっただけでその他は気にならない程度だった。前も同じくらいロードがあったならともかく,前にできたことが今回できませんでしたというのは手抜きとしか言いようがない。
キャラの等身が上がった,敵シンボルとの当たる位置によって奇襲したりされたりといった要素が加わったから,というだけでは納得のいかない長さだった。


シリーズで初めてモンスターを仲間にできるようになったが

モンスターを仲間にするというシステムは昔からあるシステムなので別段目新たしい要素はないが,テイルズシリーズでは初の試みなのでどんな風になるか楽しみにしていた。

モンスターはただ倒すだけのではなく,用意された属性盤にバトルフィールドが持つ属性の色を埋めた状態で初めて仲間にするための契約ができるようになっており,属性をもつ技や魔法を使うことで盤を埋めることができる。また,いざ契約できるようになったとしても,実際に仲間にできるかどうかはランダムになっており,お目当てのモンスターを仲間にするためにがんばっても,契約できずに終わるということがたびたび起こる。

契約対象はランダムというわけではないため,特定のモンスターを狙って仲間にするということが可能になっている点はいいが,問題はそこまでして仲間にしたいと思うような愛着のあるモンスター,ドラクエで言えばスライムといった定番モンスターがこのシリーズにはいないこと。

『女神転生』や『ポケモン』といったモンスターを仲間にするシステムが元々搭載されていたゲームならともかく,シリーズを重ねた過程で搭載された場合,やはり「いままで倒してきたあのモンスターを仲間にできる!」という点が楽しみであると思う。だが,残念ながらそんな仲間にして嬉しいと思えるモンスターは存在せず,仲間にできても戦闘キャラの穴埋め程度にしかなっていない。

使い続ければ愛着が沸くかと言えば,モンスターを操作することはできないし,味方モンスターがどれだけ活躍しているかというのを見ている暇もないため,沸いてくることもないし,モンスターとの連携技が一応あるにはあるが,それもよく分からない条件の下によるランダムっぽいものがあって,連帯感もない。せっかくシリーズ初の試みをやってくれたのはいいが,できれば定番モンスターを生み出してからにするべきだった。


バリエーション不足の「ねこにんクエスト」

このゲームはチャプター性になっているのだが,そのチャプター毎に「ねこにんクエスト」というサブミッションが存在する。

「ねこにんクエスト」はモンスターを倒しながらダンジョンを進んで目的地まで行くか,ダンジョンなしの戦闘か,本編でもあったミニゲームをプレイするといったバリエーションに富んでるとは言えず,しかも,敵の強さが変わっただけで中身が変わっていないものや,ダンジョンも使いまわしだったりと,変わり映えのしないものになっている。

それでも報酬としてもらえるアイテムが貴重だったり,クエスト中しか出てこないモンスターがいて,そいつを仲間にするということができるならいいが,もらえるアイテムも嬉しいものはあまりなく,珍しいモンスターも出てこない。そのため,変わり映えのしないことを延々とやるだけの単調なものになっており,やっていて面白みを感じなかった。

ある程度クエストもこなした状態でゲームをクリアしたとき,総プレイ時間は30時間ちょっとだった。どうにも本編のボリューム不足を水増しするための急造品のように感じるのは穿った見方だろうか。


次回作に向けて

Wiiという機種の特性に振り回されたかったこと,また上では一切触れていないが前作キャラはあくまでサポートに徹し,あくまで主人公とヒロインがメインとなっているシナリオは評価できるものの,Wiiでのシリーズデビューとしては正直成功とは言いがたい出来の本作。

来年以降,Wiiにマザーシップのテイルズ最新作を出すというアナウンスをしているだけに,次回作では外伝という甘えや手抜きは抜きにした,自信をもって最新作であることを誇れるクオリティのものを出してほしいところだ。


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タグ:Wii RPG
posted by タク at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | game | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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