2008年07月19日

[ライトノベル]シフトU ―世界はクリアを待っている―

3ヶ月連続リリースのファンタジー小説の2巻目。1巻よりもダークな雰囲気が漂ってきたことでより好みに,世界観の解説が省かれたことで読みやすくなっていた。

新たな宣託,宿敵による主人公の祐樹=ラケルを『魔王』にするための策略,いずれ魔王として倒されるかもしれない運命から逃れようとする主人公,「シフト世界」から「現実世界」への影響など,ほとんどのエピソードがどこか暗くて重い雰囲気に包まれている。

そんな雰囲気の中,「シフト世界」と「現実世界」を行き来しながら,主人公が運命から逃れようとするところから真っ向対決をする決心するまでの心の変化がメインで描かれていく。

主人公の心理描写を描いているエピソードは,個々が独立しすぎてまったく関連性がなく,かつ唐突すぎるため,最初はなんでそのエピソードが描かれているのか,どうして必要なのかが分からないといった戸惑いを感じ,もやもやした気分になるという,構成に難ありな形で描かれる。

そんな構成でも,不思議とラストには1巻でのエピソードも含め,まったく関連性のなさそうなエピソードの数々が一本の線になって主人公の変化の過程がうまく把握できるようになっており,個々のエピソードが無駄じゃなく,必要であると納得できるものになっている。メインディッシュについてはうまく繋がっているのだから,構成のほうも突発的なものではなく,前振りと個々のエピソードの関連性をもう少し描いてほしかった。

かなり内向的な物語ため,1巻のようなファンタジーさや,ラケルのおどけなどが排除されたが,その分より物語に深みというものができたように感じる。

いよいよ来月は完全新刊が登場。今巻で数多く用意された続きが気になってしょうがないと思わせる魅力的な伏線が,果たしてどう消化されていくのか,どういう結末を迎えるのか。しっかり見守りたいと思う。


シフト 2―世界はクリアを待っている (2) (電撃文庫 う 1-21)
うえお 久光
アスキー・メディアワークス
売り上げランキング: 830
posted by タク at 20:32| Comment(0) | TrackBack(0) | novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。