2008年07月20日

[cinema]崖の上のポニョ

監督・脚本・原作:宮崎駿
製作:鈴木敏夫
音楽:久石譲
声の出演:奈良柚莉愛,土井洋輝,山口智子,長嶋一茂,天海祐希,所ジョージ
公式サイト:http://www.ghibli.jp/ponyo/

4年ぶりとなった宮ア駿監督作品は,一見昔のようなほのぼのとした親子で楽しめる作品のように見せて,実際には『もののけ姫』以降の抽象的なイメージが先行しすぎる作風が抜け切っていないどっちつかずの出来だった。

魚の子として生まれたポニョが,海の上の世界を見るために家出し,そこで出会った少年のことが好きになって人間になろうとする,ジブリ版『人魚姫』なストーリーの本作。

ほのぼのとした絵柄や,(人魚姫が物語の土台になっているけど)主人公の5歳児の男の子とポニョの幼い2人の恋というテーマからは,とても小難しい話は想像もつかない。だが実際,最初のほうは色々な何故? と思うことは多々あるものの,そういう設定なのだろうと納得できれば気にしないで済むレベルなので問題はなかった。

だが,?な部分を「そういうものなんだよ」で済ませておきながら,ポニョが家出から連れ戻されたあたりから不自然なほどに説明的な台詞が続き,しかもよく分からない用語が入り混じっていて頭がこんがらがってくる。ついでに言えば,それらの説明が後に生きてくるのかと思ったらそうでもないときたもんである。無駄に混乱させるだけなので,「そういうものなんだよ」という開き直りを徹底するべきだったと思う。

また上記と同じタイミングで展開も急というか『千と千尋』を彷彿させるような超展開となる。やってることを単純化すると,男の子と女の子が協力して危機を乗り越えていくという世界系なわけだが,間にはさまれるサブエピソードや大人たちの思惑などがそれを複雑にし,結果,なんかよく分からないけどめでたしめでたしってこと? という終わり方を迎える。

テーマがとてもシンプルなだけに,もっと分かりやすい形にまとめることができたにも係わらず,宮ア駿監督とジブリが大きく飛躍することになった抽象的すぎる作風を捨て切れなかったために話を複雑化してしまうという,ジブリの迷走ぶりをうかがわせる作品だった。

イメージしていたものと違ったということもあるが,メインとして描かれる主人公とポニョの小さな恋はとても単純で,それゆえに好ましいほのぼのとしたものだっただけに,この迷走ぶりはとても残念だった。

そういえば,劇場オリジナルにも係わらずOPが挿入されるという珍しいものを見たが,いくら無名?な子役とはいえ,主人公とポニョの声優よりも大人陣営のほうが最初にクレジットで出てきたところに大人の事情というものを垣間見てちょっと泣けた。
タグ:映画 アニメ
posted by タク at 20:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 2008年鑑賞映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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