2008年08月17日

[Wii]零 〜月蝕の仮面〜

テクモ×任天堂×グラスホッパーの3社が共同で開発した「和風ホラーアドベンチャー」の最新作。シリーズ未経験ではあったが,今夏のホラーゲームのリリースラッシュに押され,暑い夏を涼しく過ごすためにプレイしてみた。


舞台とシステムを一新した新たな『零』

これまで日本家屋を舞台にしていたそうだが,4作目となる本作では,後半に日本家屋や島内の洞窟なども探索するが,和洋折衷の病棟をメインステージとしている。

舞台が変わったことで和のテイストが薄れてるんじゃないか,という印象を最初は抱いていた。だが,和洋折衷となった病棟は,昭和初期から中期にかけてのレトロな日本の雰囲気を醸し出しており,典型的な和を匂わせる日本家屋とは違う和のテイストを,Wiiのグラフィック性能が久しぶりに活かされ,綺麗に,そして小汚く表現されていた。

システムも一新され,『バイオハザード4』で採用されたキャラクターの後ろをカメラがついていくビハインドカメラが採用されている。ビハインドカメラを採用したことにより,歩きながらでも視点を上下左右に動かすことができるようになり,それによってキャラクターと一緒になって建物内を探索しているような一体感が生まれている。


不自由さと処理落ち?によって増長される恐怖

アクションアドベンチャー形式のホラーゲームでは恐怖を増長するため,キャラクターの動きや操作性にある程度不自由なものになっているが,それは本作も例外ではない。

とくにキャラクターの移動スピードはとても遅く,歩行時は見知らぬ暗い場所を手探りでもしているようなスピードだし,走りの時もマジで走っているのかと思うくらい歩幅が狭く,普段もこのスピードでは間違いなく徒競走はビリ間違いなし,長距離なら周回遅れ確実視の遅さ。

霊との遭遇では逃げたりカメラを構えるために距離をとる時には焦りを感じ,さらにビハインドカメラによって後方が見えないことで後ろから迫ってきてる場合,どのくらい近いのかが分からないことで,より恐怖が増してくる。

本作ではマップの切替はなく,広い舞台をシームレスで移動するようになっている。このシームレスでの移動,Wiiタイトルとしてはかなり高精細なグラフィックを実現していることで性能的にかなり負荷が高いようで,扉で区切られた先にある部屋や廊下に行く際に扉を開ける瞬間,処理落ちしている。

何度もマップを往復したりするときは多少ストレスを感じるものの,処理落ちすることでただでさえゆっくりだった動作がさらにゆっくりとなり,この先に何かあるんじゃないかという想像力をかきたてたる。シューティングゲームでは弾幕時にわざと処理落ちさせ,それをゲーム性へと昇華させてものがあるが,狙ったにしろ副産物にしろ,扉を開ける際の処理落ちはうまく恐怖の演出へと昇華している。

ただでさえ,力の入ったグラフィックによって表現された血色の悪いリアルな顔や,リモコンのスピーカーも利用した木霊のように共鳴する恨み言を発してくる霊の存在は恐ろしいというのに,上記の演出によってその恐怖たるや,何度同じ目に遭遇しても克服などできない怖さがあった。


Wiiリモコンならではの要素が足りない

霊を封じるカメラ「射影機」や懐中電灯など,まさにWiiリモコンのポインター機能を活かした操作ができそうなものなのだが,本作ではなぜかポインターを利用した操作が取り入れられていない。

「射影機」はBボタンで構え,ヌンチャクコントローラのスティックで照準を合わせるようになっており,このあたりは恐らくPS2やXboxに出てきた前シリーズとあまり変わらないものだと思う。シリーズ経験者のためにあえて操作性を変えなかったということなのかもしれないが,せっかくポインター機能があるんだから,ポインターで霊にファインダーを合わせるという操作を取り入れてほしかった。

とはいえ,ファインダーを合わせたらそれでお終いというわけではなく,一定時間霊を捉え続けることで高いダメージや高ポイントをゲットできるようになっていることを考えると,その一定時間リモコンを画面に向け続けることを考えると,かなり腕がつらくなることもまた容易に想像できる。
また,初心者救済と思われるロックオン機能はともかくとして,ポインター操作を基本にすると霊を捉え続けることが簡単になりすぎ,やりごたえがなくなってしまうとも考えられる。そうなると,ポインター機能を取り入れなかったことはベターな選択だったと思うべきなのかもしれない。

しかし,直接難易度にも係わる「射影機」の操作はともかく,探索中の懐中電灯の操作についてはもっとWiiリモコンの操作性を活かしてほしかった。
Wiiリモコンを上下に動かすことで懐中電灯を上下に向けることができるのだが(正確にはキャラクターが上下に視点を動かすのに合わせてだけど),左右についてはそれができない。リモコンを持ちながら手首をひねると強引にほんの少し左に体をひねってくれるはするが,基本は左右に向くようにキャラクターを動かしてやらないといけない。そのため,アイテムが近くにあるときなどに微妙に左右をずらしたいといったときにポインター機能が使えないことが思ったよりも不親切で,ストレスを感じることがあった。

もしかしたら,主人公の一人・長四郎の「霊石灯」という懐中電灯のような武器の存在ゆえにこうせざるを得なかったのかもしれないが,それだったら「霊石灯」をなくして懐中電灯の操作性を快適にしてほしかった。あの武器,いまいち操作しづらくて使い勝手がよくなかったし。


充実したやりこみ要素と遊び心を交えた2周目プレイ

本作には,本編中に「呪いの人形」探しや通りすがりに現れる霊を撮影する,といったコレクター性の強いやりこみ要素がある。これらをうまく集めるとクリア後に衣装や強力な「射影機」の装備が手に入るというボーナスがあるのだが,それを抜きにしても,結構楽しめる。

とくに通りすがりに出くわす霊の撮影は,出現している時間や時期が限定されているため,すばやい判断で適切な位置取りをして撮影するという,ある種ゲームの腕の見せ所的なものがあり,霊が現れたときはかなり熱いものが全身からあふれ出てくる。それゆえに撮影に失敗したときの悔しさは霊との対決でやられてゲームオーバーになったとき以上。

ただ,公式にも発表されたように全ての霊リストが埋まらないというバグがあり,リストをコンプリートすることができなかったり,コンプリートしたことで手に入るアイテムが手に入らないといった残念な点はあるが,それで面白さとかやりがいが薄れるということはないので,撮影できるものは全て撮影するという意欲をそがれることはなかった。

また,ミッション形式によるミニゲームでスコアアタックをしたり,ホラーゲームには似つかわしい遊び心やエロティックな衣装に着替え,強力な装備をもって2周目に挑んだりと,クリア後も色々と楽しむ要素が用意されており,やりこみ要素やリプレイ要素がかなり充実していた。


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posted by タク at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | game | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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