2008年08月21日

[ライトノベル]ヴァルプルギスの後悔 Fire1.

毎度おなじみ『ブギーポップ』シリーズの世界観を共有した,というかシリーズでもおなじみの凪を主人公にしたスピンオフ作品。

これまで単なる通り名でしかなかった凪の"炎の魔女"という渾名。これに壮大な意味をもたせるため,対となる魔女が登場。なんつー後付けな上に,シリーズ最大の謎とも言える統和機構をも上回る脅威が敵,千年ぶりに開始される魔女戦争という本編よりも壮大すぎる設定を,スピンオフなのによくやるなぁと半ば感心,半ば呆れ。

だが,そんな壮大な設定よりも気になってしょうがないのが,凪が本編よりもかなり強くなっていると感じられること。

彼女がそれなりに強いことは分かっていたけど,やはり所詮は人間ということで超能力を持った合成人間相手に互角以上に戦ったというところを見た記憶がほとんどない。仮に合成人間と対峙しても,うまくやりこめて生き延びるということはあっても,堂々と戦って勝つということあったかな?

覚えている限りでの本編の凪って,重要な位置づけにいたことがほとんどないし,重要人物そうなくせに出番少ないので影が薄かったりだから,もしかしたら,ようやく本領を見せることができたというだけなのかもしれない。

そんな自問自答はともかく,この作品では電磁波で物を弾丸のように飛ばすドーバーマンや,『ビートのディシプリン』でもビートとそれなりに戦ってたラウンダバウトを相手に圧倒して勝利するという強者と化した凪。こんなすごいやつだっけ? と頭の上に常に?マークが浮かんでいたが,そういう設定だと思うしかない,ということか。

凪が強くなっていることはもうそれで納得するとして,その他,魔女だのなんだののストーリーは,よくも悪くもいつもの上遠野作品らしく,独自の用語を存在があいまいなキャラクターが意味ありげに喋っていくという芯の部分が曖昧な状態。ここから広げた風呂敷をどうやって回収するかは定かじゃないが,目的がはっきりしていた上に合成人間ってことでアクションにも華があった『ビートのディシプリン』と比べると,いまはまだ壮大なだけで地味という印象。今後凪に襲い掛かるであろう魔女アルケスティスの仕掛けによる盛り上がりに期待か?

そういや,章毎の挿絵はエロテイストを取り入れた綺麗なものだったのに,普通の挿絵はいつもどおりの緒方絵な上に,エロティックだった章挿絵の凪が,下着姿でターザンやってる挿絵では幼女化しているのはどういうことか。そのあまりのギャップに思わず吹いてしまったよ。


ヴァルプルギスの後悔 Fire1. (1) (電撃文庫 か 7-22)
上遠野 浩平
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posted by タク at 00:52| Comment(0) | TrackBack(0) | novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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