2008年08月30日

[DS]シグマ ハーモニクス

推理アドベンチャーとRPGを融合させた一風変わったスクウェア・エニックスの完全オリジナルタイトル。開発メンバーがあの『ダージュ オブ ケルベロス』とのことなので明らかに地雷だと思っていたが,大きな不満もあれど,思ったよりも楽しめる作品だった。


アドベンチャーとRPG,2つのジャンルをうまく融合された作風

テキスト型の推理アドベンチャーとJRPGの融合。これだけだと,RPGバカのスクエニのスク側による,RPGじゃないといけない病を発病して強引にRPG要素を入れたと思いそうになる。まぁ実際発病したんだと思うけど,RPG要素は思ったよりも作品に溶け込んでいた。

ゲームは,逢魔と呼ばれる存在によって引き起こされた事件を解決し,事件を起こした逢魔のボスを倒す,という流れが章立てになっている。真相を解明するために事件が起こった館内を探索して推理に役立つ情報を集めることになるのだが,探索中,ランダムエンカウントでバトルが発生して逢魔と戦闘することになる。

戦闘システムはちょっと特殊で,3つのゲージと各ゲージに用意されたコマンドが存在し,『FF』シリーズのATBのようにゲージがたまった後,選んだコマンドで攻撃や回復を行うリアルタイム形式になっている。
戦闘については,序盤こそ使用できるコマンドが少ないので攻撃と回復を繰り返すだけであとは何も考えずにクリアできてしまうため,コマンド選択型RPGの戦略性というものはほとんどない。……ぶっちゃけ終盤になっても戦闘中の戦略性というものはほとんど存在しない。
ストーリーが進むにつれてゲージを止めてしまったり,たまったゲージをキャンセルする逢魔が存在も出てくるため,そういった逢魔に対抗するために神降と呼ばれるジョブや,コマンドの種類やゲージのたまり具合の違う戦闘スタイルを選ぶ事前作業に戦略性というものを垣間見ることはできるが,よほど下手な選択をしない限りは攻撃と回復を適当に選んでいればやられることもないので,自分の好みでプレイして平気な難易度。

難易度は低いが仮に負けたとしてもゲームオーバーにはならず,スタート地点に戻るだけなので,バトルはあくまでおまけ程度と思って問題ない。あとは,後述する強引に話を進めることも可能にするくらいなもので,やり応えのあるRPGを期待すると拍子抜けになってしまう。
ただ,クリア後?に現れるおまけシナリオでは,敵のステータス値がちょいインフレ状態に入るので,そこはジョブと戦闘スタイル,戦闘中の行動パターンを考えていかないとすぐにやられてしまうため,そこでようやくRPGとしての面白さを少し感じることができるので,このゲームにRPGの面白さを望むなら,クリアしてからが本編,みたいな割り切りが必要そうだ。

あと,バトル時のBGMがかっこよくもなく,緊迫感のない印象の薄いものになっており,フィールド中のBGMは結構雰囲気がいいのに……という悲しい思いもした。


間違ってても力押しでなんとかなっちゃうお茶目な推理パート

逢魔とのバトルもこなし,時間を越えて館中で起こった事件に関する情報−刻音−も集め終えると,事件を解決するため,いよいよ推理パート−超推理−に入る。

超推理では,碁盤上に思考の闇という事件の疑問点が置かれており,その闇を晴らすために集めた刻音を置いていくことで主人公の推理を真実に導くというもの。

この超推理,完璧に事件を解決していれば主人公シグマがそれなりに説得力のある推理を展開するのだが,間違った推理で間違った犯人を記した場合でも「超推理だから間違いない」といって強引な推理もできてしまうという,推理アドベンチャーというジャンルからしたら考えられないような代物になっている。

ただ,間違った推理だと章のボスである大逢魔が強くなるというペナルティが発生する。だが,そのペナルティさえも乗り越えてボスを倒せば,事件を解決することができる。なんだか推理ものとしては間違っているような気がするけど,真相を絶対究明しないといけないということもなく,やりようによっては真相を解明しなくてもゲームが進められるというのは器量が広いというか,RPG要素がうまく活かした面白い趣向だと感じた。


快適からは程遠いプレイ環境

システムやシナリオについてはここまでにして,ここからは悪かった多くの点をいくつか挙げたい。

新しい試みをしていることや,これまで触れなかったけどDSとしてはかなりがんばってる綺麗なグラフィックなど,評価できる点はいくつかあるものの,それらに負けないくらいプレイするにあたっての環境が悪い。

一番気になったのがフィールド内にある怪しいものを調べる調音査というもの。これまでのアドベンチャーゲーム,特にPCで出てるようなゲームではおなじみのマウスで怪しいところをクリックするのと同様のシステムなのだが,これがとにかくまどろっこしい。

調音査では,基本はフィールド内にあるレリーフのような形をした魂の影を調べるために使用するのだが,それ以外にもフィールド内に隠された推理のヒントになる真実の欠片や,魂の影にはなっていない怪しい部分を見つけることができる。
ただ,魂の影と違って調音査をしないと見えないという欠点があり,さらに調音査は見えている箇所しか調べることができず,欠片や魂の影になっていない証拠になりそうなものを探すとき,広いフィールドでは移動→調音査→移動→調音査を何回か繰り返さないと調べつくせないようになっている。
さらに悪いことに,メニュー画面やメニューから調音査に移るときのレスポンスが2,3テンポくらい間が空くため,何回も繰り返す行為なだけにかなりストレスがたまる。

他にも,超推理を実行中,間違えった刻音を置いてしまったから戻りたいと思っても,一つ前に戻るという機能がなく,推理を最初からやり直す以外にやり直すすべがない。
また,探し出したヒントを参照するためには一度通常画面に戻り,そこからメニュー→超推理→ヒント参照で,もう一度超推理に入ろうとするとまた通常画面に戻りメニュー→超推理→超推理開始……と,なんとも回りくどいことをさせられる。これにレスポンスの遅さも手伝って,ただヒントを見たいだけなのになんでこんな面倒なんだ,と思わされたことが何度あったことか。

どうもグラフィック周り,システム周りは拘るけど,こういうプレイヤーにとって快適な環境作りというのを犠牲にしがちなスタイルなのはスク側にありがちな悪い点。その悪い点が今回はちょっと際立っていた。

せっかく新しいことをやってそれが面白くても,こういうところを疎かにされると,やっぱり印象はよろしくない。DSに限らずだが,今後はプレイヤーにストレスを感じさせないゲーム作りというものをもう少し意識してほしいところだ。


シグマ ハーモニクス
シグマ ハーモニクス
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posted by タク at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | game | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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