2008年09月07日

[Xbox360]テイルズ オブ ヴェスペリア

先月発売され,評判も上々らしい『テイルズ オブ』シリーズの最新作。Xbox360というハイスペックゲーム機へプラットホームを移した本作は,『アビス』『ラタトクスの騎士』と続いた3Dテイルズで不満だった点を改善し,うまくスケールアップさせた良作に仕上がっていた。


多くの不満点を丁寧に改善した快適なプレイ環境

フィールド切替や戦闘に入るときのロードが長いという,シリーズとしてはかなり致命的な欠点を抱えてきた『シンフォニア』を除いた3Dテイルズ。体験版プレイ時,戦闘に入る際に若干のロードが気になるだけであとは快適と書いたけど,製品版では,唯一ゲームを始めたあとの初回戦闘だけは2,3秒のロードが入るが,それ以外では体験版で感じた若干のロードも(体感では)なくなっており,より快適なプレイ環境が整っていた。

体験版では気にしてなかったが,メニュー画面が絵のアイコンに変更されていたのは,さりげないところだがかなりポイント高し。
これまでもアイコンを使用している箇所はあったけど,トップのメニュー画面は文字アイコンだったので画面をほどよく占領していたけど,『ヴェスペリア』では全て絵アイコンになったことでメニュー全体が整理され,見易くなっていると感じた。

プレイ環境はかなりクオリティが高くて満足できたが,改善点がないわけではなく,とても気になったのがソーサラーリングを使用するところ。

フィールドが坂になっているところが特に気になったのが,操作キャラクターとターゲットの立ち位置の高さが少しでもずれていると当たらないっぽいこと。目標がかなりでかいモンスターのシンボルに対して,上でも下でもいいけどシンボルに確実に当たってるにも係わらず,ソーサラーリングが当たっていないことになっており,当たり判定が結構厳しい。これが微妙にイライラのもとになった。

これまでの3Dテイルズではどうだったっけ? と記憶を辿ってもソーサラーリングで不満を持ったようなことはないが,単に気づかなかっただけで実際は同様の問題があったのかもしれない。別にドット単位で勝敗が決まるようなアクションゲームじゃないんだから,できればもう少し当たり判定を甘くしてほしいところだが……。
あと,せっかく3Dになってるんだから上下にも向けられるように……とまで言うと欲張りになってしまうだろうが,2D的な光線になっているのもそろそろ見直していいんじゃないかと思った。


フェイタルストライクやオーバーリミッツの統合で広がる戦略

『テイルズ オブ』シリーズといえば,やはりアクション要素のある戦闘システムが一番の醍醐味。最初こそいつもの3Dテイルズらしく爽快感の欠ける戦闘だったが,後半で多くのシステムとスキルの組み合わせによってようやく爽快感のあるバトルがプレイできるようになった。

一番注目するべきシステムはやはり「フェイタルストライク」。体験版でもこのシステムを結構やりこみ,感想でも新たな戦略性を生んだわりに地味+一瞬で終わるということで演出面の弱さがあると書いたが,これについては覆しようはなかった。
体験版では赤・青・緑で記された「FS耐久値」を減らすだけしか注目してなかったけど,本編で様々な種類のモンスターと戦ううちに,種族によって「FS耐久値」の減り具合が違ってて,Aのモンスターは赤は減りやすいけど緑は減りにくいといったことがあった。これにより,ただ使いやすい技,コンボをつなげやすいといった理由だけでなく,「FS耐久値」も考慮した技の組み合わせを考えることで,より戦略を練る楽しさが生まれた。

『アビス』まではキャラクターをトランス状態にするオーバーリミッツのゲージが各キャラクターごとに割り振られていたけど,今回はゲージがキャラクター単位ではなくパーティ単位で割り振られている。この変更の是非については,素直によかったと思う。

キャラクターによっては攻撃の手数が少なかったり,魔術・回復要員だったりしてゲージのたまり具合に差が出ていたけど,パーティごとに統合されたことでより多くの手数を繰り出せるキャラクターでゲージをため,たまったら他のキャラクターでオーバーリミッツを発生させるといった自由度が生まれたし,ゲージにレベルがついたことでトランス状態の継続時間や,スペシャル技を使うためにレベル3・4のオーバーリミッツを発生させるか,といった選択肢も生まれ,より自分なりの戦い方ができるようになっていると感じた。

また,これまで不満材料だったコンボの繋がりが弱いという点はスキルを習得していくにつれ解消されていき,ようやく3Dテイルズで爽快感を得ることができた。ただ,相変わらず空を飛んでいるモンスターに対するジャンプ攻撃とコンボはいまひとつで,上空コンボについては『ラタトクスの騎士』が結構よかっただけに,『ヴェスペリア』でも同じように爽快さを得られなかったのはちょっと残念だった。


芯の通ったキャラクターたちが織り成す世界の危機を救う王道ストーリー

SFC〜PSに出た初期のシリーズはいまほど戦闘システムは凝っていないが,その分ストーリーが結構楽しめる出来だった。だが,PS2以降では主人公やヒロインがいろんな意味で癖のあるやつらばっかだったせいで,「テイルズって面白いの?」と聞かれたら,「戦闘システムは面白いよ」と答えるばかりだった。

そんなシリーズだけど,今回は戦闘システムだけでなく,キャラクターもストーリーもとても魅力的で,久しぶりにストーリーを追うことを楽しめた。

ストーリーは主人公のユーリが住む下町の魔導器を盗まれたところから始まる。日本製RPGでは気づいたら一緒に旅していたとか意味不明な理由でパーティに入ってくるため,キャラクターに旅をする明確な意思がちょっと欠けるところがあったが,『ヴェスペリア』ではキャラクターたちの意思はしっかりしていて,また一緒に旅をするものの目的は個々に違い,ただ一緒に旅をしたほうが目的を達成できるから,という理由で成り行き上パーティを組むところが面白い。

また,ただの盗難事件から世界の危機と対面する展開や,危機に直面することでバラバラだったパーティに仲間意識が芽生えて一致団結していく過程が実に丁寧に描かれており,たまに強引な面もなくはないけど,二転三転するストーリーもしっかり伏線が張ってあることで唐突さを感じない,近年のシリーズでは稀に見る良質なストーリーとなっていた。

あと魅力的なのが,キャラクターたちの性格や成長過程の描き方。
主人公のユーリは,これまた日本製RPGでは珍しくくよくよ悩むこともなく,自分がなすべきことというものをしっかり見据えた大人なキャラクターで,時にストーリーを追っているこっちとしては理不尽に思うような悪人に対しても,行動の是非は置いておくとして行動を起こす大胆さなど,実にすがすがしい。

また,パーティの中でもっとも成長するカロルやリタといった幼いキャラクターたちの成長過程や,最初は成長を見守られる側だった彼らが,彼らの成長が大人であるユーリたちにも何かしらの変化と人間的な成長を促す。シリーズ中でも各キャラクターの関連性がとても高く,コミカルな個性もあわせて全てのキャラクターたちがとても魅力的に描かれていた。


ブランド再生に兆しを見せた良作

グラフィックやエフェクトの乏しさ,まだまだ人形劇の域を出ないイベントシーンなど,まだまだ上を目指す余地はあったものの,久しぶりに戦闘システムだけでない『テイルズ オブ』となった本作。3年というたっぷりとかけた時間があってこそ,ということもあるだろうが,がむしゃらに量産され,堕ちるばかりのクオリティだったシリーズにあって,本作はブランドを再生するための一筋の光的なものになったと思う。本作の評判のよさを踏まえ,次回作につなげてほしいところだ。


テイルズ オブ ヴェスペリア
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posted by タク at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | game | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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