2008年09月30日

[Wii]ディザスター デイ オブ クライシス

任天堂×モノリスソフトによる大災害の起こった都市を舞台に,武装集団と闘うサバイバルアクション。
モノリスソフトのWii初参入にして同社としては初めてRPG以外を手がけたことになる本作は,Wiiのコアユーザのゲーマー熱を十分刺激を与える意欲作となっていた。


崩壊した都市で人々を助け,大災害を切り抜ける

『DISASTER』は,主人公のレイとなって次々と襲い掛かる災害や武装集団との戦闘を切り抜け,崩壊した都市で怪我をした人々を救助しながら目的地へと向かうステージ制となっている。

レイにはステータスとしてLIFEゲージとスタミナがあり,LIFEゲージは文字通りの意味で,戦闘パート時に攻撃を受けると減り,0になるとゲームオーバーとなる。スタミナのほうは時間とともに減っていくもので,こちらは0になってもゲームオーバーにならないが,その代わりLIFEゲージが減るようになっている。

スタミナは,携帯食のアイテムを使用するか,都市中にばらまかれた破壊可能なオブジェクトを壊すことで出てくる食べ物によって回復することができる。また,スタミナが満タンの状態で携帯食や食べ物を食べると,ステージクリア後にレイの能力値をアップするためのポイントが加算されるようになっている。

食べ物の種類は少ないながらもなかなかユニークで,あくまでゲーム的な表現でありつつも,食べ物がゴミ箱やドラム缶,ダンボールから出てくるというのは,リアル志向と本編ストーリーの真面目さとのギャップがあってなんとも愉快。中でも個人的にツボだったのが,骨付き肉やハンバーガーというアメリカンな食べ物がありながら,一番スタミナを回復できるのがイモリ?ヤモリ?の串焼きであること。なんでこれが一番回復量多いんだよ,と思わず笑ってしまった。

探索パートの肝は救助を待つ人々を助け出すレスキューミッション。ミッションの種類は豊富にあって,怪我人の治療や安全地帯まで送り届けたり,消費アイテムを渡すといった従来型コントローラーでも十分なものから,Wiiリモコンを活かしたWiiならではのキャラクターと一体となったようなものも存在する。

レスキューミッションで一番気に入ってるのが心臓マッサージ。ミッション数自体は少なかったものの,Wiiリモコンを横にしてタイミングよく振るという動作が,その後の人工呼吸は体感的な操作ができない理由でボタン押しになっていたのは残念だったものの,操作キャラクターとの一体感を妙に感じさせ,とても印象的だった。心臓マッサージ以外にも,建物や穴に落ちそうになっている人に手を差し伸べるミッションでは,ただリモコンを振るのではなく,救助する人のいる方向にタイミングよく振る必要があって,これもまた一体感を感じさせるいいミッションだった。

レスキュー以外にもカーチェイスをしたり,迫りくる津波から走って逃れたりといった様々なシチュエーションによるミッションがある。

カーチェイスではリモコンをハンドルに見立ててプレイするのだが,最初は単純に運転していればよかったものの,後半にいくにしたがって迫り来る津波などから逃げたり,敵の車を追跡したりといったスピードと瞬時のドライビングテクニックが要求されたかと思えば,一歩ミスればがけ崩れに落ちるような慎重さを要求されるものなど,これだけでも結構なバリエーションがあり,さらに難易度もかなり高いのでやり応えがある。

津波から逃げるミッションでは,ディザスターアクションと呼ばれるモードに移行し,ダッシュで逃げるレイと同じように腕を振るアクションをする。前半のディザスターアクションはいいのだが,後半になるにつれBボタンでダッシュするという要素が加わるとこれまた意外とシビアな難易度へと変貌し,ただでさえかなり腕が疲れるのに,適切にダッシュも使っていかないとゲームオーバーになってもう一度同じことをするはめになるため,腕がひどいことになる。ついでに言えば,もっと軽く振っても問題ないのかもしれないだろうに,ついつい熱が入って大振りになり,失敗するとどういうわけかさらに大振りになってかえって腕がやばくなるというわけの分からないスパイラルに陥ったりもして,まぁぶっちゃけ疲れるけど主人公になりきっているかのような感覚になれて楽しい,というほうが上回る不思議な面白さがあった。

ただ,これら災害シチュエーションでのアクションは一つのミッションで完結した形で出てくるため,探索中に災害に遭遇するという要素でなかったのがちょっと残念。探索中,ビルが崩れ落ちたりするシーンもあるのだが,それはあくまで近くのビルが倒壊したのを遠目で見ている程度のもの。このゲームには『シェンムー』や『バイオハザード4』のようなクイックタイムアクションが用意されているので,どうせなら瓦礫と化したビルを通っている最中に崩壊したり,大地震で瓦礫が落ちてきたりといったものも入れて,探索中も気が抜けないという風にしてほしかった。


ガンシューティング以外何かがほしかった戦闘パート

災害だけでなく武装集団とも闘うことになる。この戦闘パートではガンシューティングへと移行し,物影に隠れながら敵を撃っていくという,プレイしたことはないがナムコの『タイムクライシス』のようなシステムを採用している。また,リモコンの十字キーに使用する武器を設定しておき,戦闘中は十字キーで瞬時に武器を変えることができるようになっている。

昨年から年始にかけていくつかガンシューティングが登場,Wiiリモコンを活かすジャンルの一つとして認識されたもの。それらガンシューティングと比べてどうか,というのはプレイしていないので比較しようがないが,少なくともこのジャンルに求められている最低限のものは十二分に満たしていると感じた。
ヘッドショットはもちろんのこと,ボス戦時には大ダメージを与えるチャンスみたいなものもあって,それらを決めると装備している武器の強化やより強い武器を手に入れるためのバトルポイントが高くもらえるようになっている。ガンシューティングの難易度自体も,序盤以外は油断しているとゲームオーバーになるくらいの難易度だったので緊張感があり,そのおかげで物陰に隠れるという要素がかなり生きてきて,より銃撃戦をしている感覚を味わえるのもいい。

ガンシュー自体は面白く,それはそれでいいのだが,せっかく探索パートでは主人公を自由に動かすことができるのに,戦闘パートでは移動は自動というのはなんだかもったいないという印象。せっかくリモコンだけでなくヌンチャクも基本的に使用するのだから,ただ銃撃戦をするのではなく,FPSかTPSにしてアクション要素を盛り込んでほしかった。ラストのボス戦では,ガンシューだけでなく,クイックアクションやディザスターアクションも盛り込まれたことで,本当にアクション映画をプレイしているような雰囲気を醸し出していただけに,FPSやTPSまではいかなくても,せめてガンシューだけではない戦闘を味わいたかった。


キャッチコピーに恥じない映画的ゲーム

大災害によって失った親友の妹を助けるために武装集団と戦闘し,さらに大災害に巻き込まれながらも人々を救出し,親友の妹を救うために武装集団を追っていく。80年〜90年代のハリウッドのアクション映画のようなベタなストーリーで,意外性など欠片もない。だが,その意外性のない直球ど真ん中の王道アクション映画のような分かりやすい善悪のストーリーがかえって熱く,ベタゆえにはずれもない。よほどひねくれたストーリーを要求されない限りは,誰でも楽しめるものになっていると思える。

また,ストーリーだけでなく,多くのシーンで80年〜90年代のハリウッドアクション映画を意識したような演出と台詞,はてはオマージュとしか思えないものが数多く盛り込まれており,「これって○○のオマージュかな?」と一人妄想するのもまた楽しめる要素の一つとして挙げたい。

これら映画的シーンはほとんど観ているだけのことが多く,メインスタッフはモノリスソフトだが,任天堂も係わっていることも考慮するとムービーシーンがかなり長く感じる。とはいえ,1ステージあたり長くてもムービー6:操作4くらいなもんで,ほとんどが5:5か4:6くらいの印象。しかも,上記にも書いた迫りくる津波から逃げたり,さらに津波がきている中でレスキューミッションもあったりして,ここは操作させてくれ!というシーンはきちんと操作させてくれるので,キャッチコピーの「Wiiで映画俳優」「主演:あなた」に恥じない大作映画をプレイしている実感を与えてくれる。

このアプローチ,如何にも海外の映画的ゲーム的なもので,これまでムービーを見せるゲームを代表作としてきたモノリスソフトとしては意外なアプローチに感じたが,まだまだ改善できる余地はたくさんあるものの,ムービー鑑賞を主体としたゲームを作ってきた日本の製作会社でも,こういうゲームを作ろうと思えばできるんだなとちょっと一安心もできた。


やりこみ要素も充実したWii世代の新しいコアゲーム

Wiiというハードのインターフェイスでできることを色々詰め込み,それでいて一つ一つが面白みが凝縮されていて中途半端なものがなかったのは本当にすごいと思った。まだ色々できること,やってほしいことは多く頭に浮かんだが,それも中身がしっかりしているからこそで,このゲーム単体としては非常に満足いくものだった。

やりこみ要素も充実しており,ステージをクリアしていくごとに追加される射撃ステージや,一度クリアしたステージを再度プレイするとスタミナキャンペーンと呼ばれる旗集めをしたり,Xboxの実績システムを意識したような称号など,何度もプレイしたくなる要素が盛りだくさん。スタミナキャンペーンでは,陽気なおっさんが看板を取るたびに無線から声をかけてくれ,炎の中などの危険地帯にある旗をせっかく集めてやったのに,災害時にも看板集めとはクレイジーだ,みたいなことを言ってくれたり,称号取得でも,チキン野郎やペーパードライバーといった説明文も「なめとんのかー!」と思わせるものが数多く用意されており,任天堂のブラックな面を垣間見て,文句を言いつつもついつい看板も集めるし,称号もどんなふざけたものがあるのかとついプレイの仕方を変えつつやってしまう中毒性があった。

ここまでほとんど手放しで褒めてきたが,これはこのゲームをプレイしたものなら必ず触れないといけないだろうと思うので触れておくと,ロードが恐ろしく長い。短いものでは5秒もないが,長いと10秒以上もかかることがあり,普通は7秒程度。ステージの開始はともかく,マップの切替やイベントシーンの開始前と終わった後に10秒近くロード時間が入るのは結構きつい。ロードしている間,『ロストオデッセイ』のように各キャラクターの説明などが出てきて,ロード中も飽きさせないような工夫を凝らしているが,どうせ凝るならもっとロード時間を短くすることに注力してほしかったなぁ,という印象。

マイナスはロードくらいで,他はこれまでのコアなゲームとはちょっと違う,Wii世代の新たなコアゲームの流れを作ったゲームの一つとして隠れた名作あたりになるんじゃないかと,そんな風に思える良作だった。


ディザスター デイ オブ クライシス
任天堂 (2008-09-25)
売り上げランキング: 36
posted by タク at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | game | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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