2008年10月17日

[ライトノベル]輪環の魔導師4

前回魔族たちに攫われてしまったイリアード姫を救い出すため,敵地に乗り込みに行くお話の前編。

今回も新キャラとして,セロに薬師としての知恵を授けた"師匠"アネットが登場。これがまたセロ大好きな年上の女性で,また一人ハーレム……じゃなくてフィノのライバルが誕生したわけだけど,既にティアネスが十二分に恋のライバル?として確固たるポジションを築き,フィノとの女のバトルは読んでいて面白いので,そういったポジションのキャラを増やす必要性をあまり感じないだけに,ちょっと余計な感じを受けた。

ただ,後半で実はフィノをからかう目的もあるらしき心理や,魔術師としての腕は低い故に出番も案外少なく,今後もあまり絡まなそうな扱いだったので,あくまでイリアード姫救出までのゲストキャラといったところか。

それならそれで,アネットのようなお姉さん属性持った主人公をとことん甘やかすようなキャラが好きなだけに残念だったりするんだけど,じゃあなんで登場させたんだよ,とも思う。おそらく,セロの薬師としての知恵をどこで身に着けたのかの理由付けなんかのためなんだろうが,これまで誰かから教えを受けたというそぶりすら見せてなかっただけに,ちょっと後付すぎる。好きなタイプのキャラだが,できるならもう少し伏線みたいなものを4巻より前に仕込んでほしかった。いまさら伏線張られても困りものだ。

メインとなるストーリーは,前後編になることを考慮してか,前半は大事なお姫様を誘拐されたとは思えないほど緊張感と焦りを感じさせないゆったりした展開。いくら休息が必要とはいえ,こんなのんびりしていていいのかよ,と心配したが,アルカインものんびりしていることに焦りを覚えない自分を異常だとして,ちゃんとおかしいと認識していると分かっただけに多少救われた。

後半には,アルカイン・シズクとクリムド・バルマーズの戦い,セロたちの攻防と誘拐といった複数の視点が同時に進行し,4巻のラストでも感じたやや急ぎ足気味な展開。アルカインたちの戦いは,実力が拮抗してどっちに勝機が転ぶか分からない緊張感ある展開で読み応えもあり,どういう決着がつくのかついつい読み進めたくなる勢いはあったが,セロたちのほうは,アネットの薬師の知恵による意外性のある攻撃でクリムドを翻弄するという見せ場で楽しませてくれたものの,それ以外は罠に嵌るときのステレオタイプな展開を強引にやってしまっていて,それがアルカインたちの戦いと交互で語られるため,ややテンポを崩してしまった感があった。

アネットのほかに,メルルシーパという魔族になったにも係わらず魔族を倒していくキャラも新登場していたが,今のところはこのキャラもやや蛇足な印象。ただ,ラストで現在のボスキャラであるルナスティアとの関係を思わせる描写があるので,後半で存在意義が見えてくるのかもしれない。龍の形をした魔導具を駆使するようなので,思いっきり暴れてド派手な活躍を見せてくれることを祈りたいところ。


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posted by タク at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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