2008年11月04日

[cinema]ハンサム★スーツ

誰でも着ただけでハンサムになれるスーツを手にしたブサイクな主人公・琢郎が,ハンサムライフを謳歌しながら本当の自分,本当の幸せを見つけるコメディ。設定がかなりぶっ飛んでいたのでどれだけ笑わしてくれるか期待したが,期待していたような方向性は薄かったものの,面白い映画だった。

映画の性質上,琢郎がブサイクであるをいじったり,女性からキモがられるってネタがかなりある。この,やり方を間違えれば後味の悪くなるネタをどれだけ突き抜けた笑いに昇華するのか期待していたんだが,不快になりそうなものは極力排除するよう気を配っているのか,ブサイクネタについてはぶっ飛びきれず,やや中途半端感があった。

特に不快になりそうな主人公を気持ち悪がる女性陣については,ネットスラングで言うスイーツ(笑)の特性を誇張した感じのアホキャラばっかで,ついでに言えば大して綺麗でもかわいくもな……ゴホッゴホッ,あまり人をブサイクブサイク言って気持ち悪がるほど褒められたもんでもなかったので,実際に遭遇したら不快だろうけど,同時にこんなんで人の容姿をどうこう言うんだ,と鼻で笑える程度。

また,ブサイクネタではないが,琢郎がハンサムスーツ装着後に進出するモデル界にいるイケメンモデル男子にしても,思いっきり3枚目なキャラなんで,どんだけ嫌味なことをやってきても周囲から無視されたり邪険にされるので,逆に憐れみを感じる。

このように,主人公をブサイクブサイクといじりまくるわりには,内輪のいじりは一種の愛情表現になってるし,その他はバカばっかを配置することで不快さを軽減する。どこか優等生的な感じだった。

この映画の面白さのキモは,やはりハンサムスーツ装着後の杏仁役を演じる谷原さんの演技か。
この人のドラマとかは一切見たことなかったので,所謂かっこいいやつだから笑ってもらえる的なものにならないか心配だったけど,それは杞憂だった。80年〜90年代に流行ったオヤジギャグの領域に達する一発ギャグを惜しげもなく披露する3枚目キャラや,かっこいいことに浮かれまくるチェリーボーイぶりをうまくこなしている。
ただそれ以上にうまいなぁ,と思ったのが,モデル業をやってるときでもどこか浮ついたところや,まったく洗練されていないポーズや歩き方,というか終始挙動不審気味なしぐさを自然とこなしていること。特に,ラストのほうにあるファッションショーから走り去るシーンなんか,走り方がいかにも走ることになれていない系のお人の走りそのもの。それまでも洗練されてなさを見ていたものの,このシーンは結構驚きを感じた。

あと琢郎と本江,ブサイクな男女のカップルによるメロドラマも見所の一つ。
2人を演じるのはどちらもお笑い芸人なだけに演技にややぎこちなさを感じるものの,そのぎこちなさがかえって二人のくっつきそうでくっつかない微妙な距離感や,恋に対して初々しく,どこか臆病なところをうまく演出しているように感じた。また,そこにいるだけで場を和ますような存在感や,愛されるブサイクというのを体現したような愛嬌で映画全体の雰囲気を明るくしており,適役なキャスティングだったよう。適役がいなかったことによる穴埋めじゃなかったんだ。

その他,カメオ出演としてそれなりに有名どころが出てきており,ただ豪華カメオ陣という金の無駄使い,ただの話題作りというものではなく,きちんと出てくることそのものが笑いであることに昇華しているのもよかった。

冒頭にも書いたが,設定に対してネタのインパクトは多少弱く,優等生的なコメディに落ち着いている。それでも十二分に楽しい良作だったので,ぜひ息長くヒットしてほしいところ。

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監督:英勉
脚本:鈴木おさむ
出演:谷原章介,塚地武雅,北川景子,佐田真由美,大島美幸
公式サイト:http://handsome-suits.com/
ラベル:映画 コメディ
posted by タク at 21:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 2008年鑑賞映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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