2008年11月23日

[ライトノベル]イスカリオテ

かつて聖人と呼ばれる人間が起こしたと言われる神の奇跡を模倣する断罪衣を纏い,七つの大罪を具現化した<獣>と闘うバトルアクションファンタジー。他作品ではあまり見かけない設定や,面白い個性を備えたキャラクターたちによって彩られるストーリーやバトルがとても面白かった。

模倣する聖人や<七つの大罪>というキーワードから,世界で一番有名であろう宗教名を連想というかもろそれなんだけど,宗教性はほぼ皆無。一応教会も出てきたり,そもそも舞台となるのが宗教特区だったりするけど,あくまでそこから作品を面白くするための設定程度に留まっている。なので,その辺りはあまり気にならなかった。

この手の作品だと神話に出てくる英雄の武器を装備する設定が大半だと思うが,そうではなく聖人の起こした奇跡を模倣することで<獣>と闘うという設定がすごく気に入った。なんというか,宗教に興味もなく,しかもここは日本であることを考えると,<七つの大罪>以外はドマイナーなんじゃないか。大罪についてだって,世界で大ヒットした某映画がなければそれすらマイナーだったんじゃないかと思うと,そういうネタを扱ってくることに感動すらする。

今回出てきた断罪衣は3種類だったのでバリエーションに乏しさはあったけど,超人的な怪力を持って<獣>相手に格闘戦を演じたり,炎を纏ったりと,絵が動いたらさぞ派手で面白いんだろうなぁ,と思い浮かべながら,個々の断罪衣の活躍を楽しく読めた。格闘に魔術じみたやつがいるので,あとは武術に優れたやつがほしいところだ。そうすればもっとアクションが楽しくなりそう。

キャラクターたちもとっても魅力的で,中でもヒロイン……と言ってよいのか判断つかないけど,主人公のイザヤを守るノウェムが一番。イザヤを守るために用意された人形という設定ながら,彼を守るという一点においてすごく真面目で一生懸命なのがとても健気だし,「〜のが私です」という口癖も機械的なものを感じつつも,その前後の台詞に感情めいたものが並ぶことで,機械と感情という相反する要素が入り混じった感じでとてもいい。それに,時折見せる笑顔やイザヤが無茶したときの怒りのあまりに興奮したところなんか,イザヤともどもコロッといってしまいそうな気分。キャラ萌えとか否定派な自分でも,ノウェムに対しては例外処置を取ってしまいそうだ。

その他,悪ぶっていながら結局仲間を助けたりする予定調和っぷりが板につくイザヤや,何を考えているのか分からないなりに道標のような存在のカルロも読んで楽しいキャラクターだし,恐らくヒロインの波璃が通う学園の生徒会の面々も,出番が少ないサブキャラなのにインパクトの強くて作品に笑いを振りまいてくれる楽しい兵が揃っており,今後の彼らの期待?も楽しみ。

新シリーズということで,この巻で提示された謎もあったり,<獣>と闘う舞台はイザヤたち以外にも数点あるようなので,今後どのような展開で話が広がり,謎も解明されていくのか,とても気になるので早く次巻が出てきてほしいもんである。

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posted by タク at 20:13| Comment(0) | TrackBack(0) | novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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