2008年12月10日

[ライトノベル]俺の妹がこんなに可愛いわけがないA

見た目はイマドキの女子中学生なのに,妹モノのエロゲーや美少女アニメが大好きというキャッチーな設定で惹きつけ,中身はオタクに比較的ドライな距離をもって接してて好感を持てた作品の2巻。今回も面白かったけど,良くも悪くも1巻の焼き直しという印象だった。

1巻では桐乃の趣味を知るところから人生相談が始まり,オフ会に出てオタク仲間ができ,最後は親バレして父親に桐乃の趣味を認めさせるという展開だったけど,今回もやってることはほとんど同じ。

2巻を簡単にまとめると,平凡を愛する兄・京介は今日も今日とて人生相談と称してエロゲー強制プレイをさせられてるし,夏休みの思い出作りとしてオタク仲間と夏コミに参加し,都合よく夏コミ帰りに一般人の親友と鉢合わせてオタバレして仲たがいし,その仲を修復するため,また京介が奔走して最後に魂の叫びをして自爆(笑)。

1巻との違いは,京介と桐乃の関係のスタート地点,アキバが夏コミに,親が親友になったくらいで,あとはせいぜい地味子こと真奈美とのエピソードが章として用意されたくらいなもん。

やってることはほとんど変わらないので目新しさはない。だけど,その分京介と桐乃の脇を固めるキャラとのやりとりにだいぶ労力を注いだのか,キャラクター同士のかけあいが全編に渡って面白可笑しく散りばめられていた。

一番のお気に入りは真奈美とのエピソード。1巻では完全に脇に徹した癒しキャラだったけど,今回はほんの些細なすれ違いというか京介の勘違いから,真奈美がどれほど大きな存在であるかをより強く実感するっていうエピソードとなって完全な脇からサブキャラくらいには昇進した感じ。……真奈美って幼馴染で天然で眼鏡っ子なんだよなぁ。こんだけ属性揃ってる時点で普通ならヒロインの一角を名を連ねるのに十分なんだろうけど,そうならないのが地味子たる所以か。

まぁ,結局のところは真奈美の存在にスポットを当てるというより,いままで桐乃→京介という相談関係が,桐乃←京介という構図を作り,兄妹の信頼関係をより強固にするという意味合いが強いんだけど,それでも真奈美の出番が増えたのは嬉しかったし,京介は恋愛感情がないとかなんとか言いつつも,どう考えても相思相愛のカップルっすよ!とつっこみたくなる関係に思わず悶えながらもニヤニヤできて面白かった。次はどんな風にイチャついてくれやがるのか楽しみだなぁ。

あと,真奈美のエピソードでは,この幼馴染が桐乃にとっていかに忌まわしい存在であるか,ということを連想させるシーンも見られ,なんでこんなに真奈美との関係に嫌悪を顕わにするのか,という点も気になるところ。今後,この理由が明かされるんだろうか。

一番面白かったのは桐乃のオタク仲間である沙織。オフ会しか出番のなかった彼女も,京介とのホットラインができたことで「ござる」口調が全編に渡って散りばめられたし,京介との掛け合いは常に漫才のようなやりとりで大いに笑わせてもらった。あと,初電話時は本人曰く「普段は大人しい女の子」を垣間見たりして,ネット上でのお嬢様ぶりといい,いろんな顔があって多面性のある面白いキャラクターだと再認識。

キャラクター関連でとても面白かった反面,個人的にやっちゃった感を覚えたのがラストの桐乃の親友とのやりとり。

桐乃の親友がオタク趣味を嫌悪する理由の一つに,桐乃が遊んでいたエロゲーが原因で事件が起こったらしいということがあったんだけど,その事件とエロゲーの関連がなかったこと,エロゲーが事件を引き起こすということを否定するやりとりがあり,このシーンがどうにもいただけない。

正直,アニメやゲームが事件を生み出しているなら,自分もとっくに銃乱射や車で人轢きまくって笑ってるか,チェンソー振り回してぶったぎってるか,グレネードを殴りつけて仕掛けて爆破するか,ダウン中のやつを相手にスタンプかましてるか,隠し剣でアサシンごっこしてるところだけど,幸い?そういうのはゲームだけで済んでるし,暴力ゲーを愛好してるからって現実にそれを持ち込もうという感性が理解できない身としては,アニメやゲームが事件を起こすなどバカバカしいことこの上ないし,この本読んでる人の大半もそう思ってるところだろうと思う。

だからこそ,書いてあることは分かるし,それを主張したい気持ちも分かるんだけど,いくらオタク賛美をしていないとはいえ,作品のテーマからしてこの手の主張を一つの議題として語られても,桐乃の親友同様「あなたも同じ趣味を持ってるからでしょ?」という言い訳にしか読めない見えない聞こえない。ゲームと犯罪を結びつけるマスコミを揶揄するのなら,もっとさりげない嫌味にしてほしかった。ちょっと取り上げ方が大きすぎ。

とはいえ,その後の半ば強引な京介の自爆オチがあまりにバカバカしすぎて笑い死にしそうになったので終わりよければ全てよしって感じか。

今回は1巻のアップグレード版だったけど,次回作では違ったアプローチも考えているようなので,その違いや次の人生相談と京介の自爆はどんなものなのか,いまから待ち遠しい。


俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈2〉 (電撃文庫)
伏見 つかさ
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posted by タク at 01:49| Comment(0) | TrackBack(0) | novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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