2008年12月27日

[cinema]K-20 怪人二十面相・伝

わざとらしい演技とご都合主義が蔓延していたけど,そういうのもひっくりめて楽しめる映画だった。

第2次世界大戦を回避し,華族制度によって極端な格差社会となったた日本を舞台に,二十面相の罠によって投獄されたサーカスの曲芸師・平吉が,2代目二十面相になるまでを描いた活劇で,邦画もようやく実写でこういう映画を撮れるようになったのかと感心。

まず驚くのがCG技術。「帝都」という名にふさわしいレトロな建物,現代とは違った進歩を遂げた飛空挺やプロペラ式の小型飛行機など,実際に物を作って撮ったと言われても違和感のないレベル。さらに,ラストに非現実的な代物まで登場してくるが,それも実写のように見えてびっくり。邦画でCG多様した映画ってここ最近は多いみたいだが,予告を観ただけでCGの部分が浮いてるように感じてたので,あんまり期待してなかったんだが,おみそれした。

ストーリー自体はTV局の製作らしいご都合主義に満ち溢れた内容。とはいえ,活劇もので変に凝ったストーリーをやられるよりはベタでご都合なくらいがちょうどいいと思うので,別に気にしなかった。

原作未読だけど,あらすじ紹介を読んだ限りは,原作のPart2を下敷きにキャラクターの個性はともかく,立ち位置を変えたり,恋愛要素を入れるためにヒロイン追加したりとだいぶ変えてありそうな感じ。

改変部分が成功しているかどうかは判断つかないが,少なくとも,松さんとこのたか子さんが演じたヒロインは結構アクティブかつコミカルな演技がたくさんあって,このヒロインが必要だったかはともかく,華と笑いを添えてくれてた。貴族階級のお嬢様らしく世間知らずだったり,格闘技術や飛行機の操縦術など,お嬢様とは思えない能力を持っていても,「良家の子女のたしなみ」で済ますところはとにかく笑えた。

ついで言えば乱歩の原作のほうも読んだことがない,てか乱歩作品読んだことないことに今気づいたんだけど,明智や小林少年の活躍があまり見られないことについても,主人公じゃない脇役だし,こんなもんじゃね,って程度。一部ネット上の感想をチラ見して,乱歩原作にも出てきた面子の扱いに不満があったみたいだが,これ乱歩の正史じゃなくて二次小説を原作にしてるんだし,むしろ日本でもシェアワールドの小説が映画になることを許容してもいいんじゃないかなぁ,と思うんだが。

アクションはCGと同じくらいすばらしかった。平吉を演じる金城氏は,相変わらず日本語の台詞になるととたんに『レッドクリフ』の孔明と同じ人物とは思えないアレっぷりを披露してくれちゃってるけど,アクションについてはキレもあってスピード感と身軽さを感じさせる動きと,3枚目なかっこよさとちょっとした笑いを織り交ぜる茶目っ気ぶりで楽しませてくれた。そんなアクションをもっとも堪能できる泥棒修行時の街中を建物を乗り越えながら颯爽と駆け抜けるシーンは,シチュエーションはともかく,観ていて気持ちのいいもの。なんとなくゲームの『アサシン・クリード』あたりを連想させた。

ラストにあっと驚くどんでん返しが待っている。どんでん返しのネタについてはそれなりに伏線というか,どことなく疑わしいネタはあったんだけど,隠し玉を持っているような映画とは全然考えていなかっただけに,これには正直ちょっと驚いた。

邦画の限界か,わざとらしい演技がまだまだ隠しきれてないという欠点はあったけど,そのわざとらしさもまた笑いのネタに転換しているところが何箇所かあり,ただでは転ばないといった製作側の意欲?であまり気にならなかった。とはいえ,大人のほうは誤魔化しが利いたけど,子役のほうはさすがにどうしようもないレベル。格差社会を象徴するような悲劇とかを背負わせ,子役泣かせて観客泣かせようとするシーンがあったが,子役のわざとらしすぎる台詞と泣き方にさすがにげんなり。子役のうまい誤魔化し方ははまだまだだなぁ。


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監督・脚本:佐藤嗣麻子
原作:北村想
出演:金城武,松たか子,仲村トオル,國村隼,高島礼子,鹿賀丈史
公式サイト:http://www.k-20.jp/
ラベル:映画 アクション
posted by タク at 23:59| Comment(0) | TrackBack(1) | 2008年鑑賞映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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