2009年03月07日

[cinema]少年メリケンサック

役者たちが箍を外したようなおバカな演技に終始笑わえたけど物足りなさを感じる,そんな作品。

務めている音楽会社を退社することになった主人公の女性が,偶然ネット上で見つけたパンク・バンドの動画を社長に見せたところ,社長が気に入ったためにスカウトしにいくはめに。しかし,動画やバンドのWebサイトでは若者だった彼らの姿は既に過去のもので,今では40過ぎのおっさんばかりだったからさぁ,大変ってお話。

クドカン作品はほとんど観たことないんで,観る前は気合いと根性でバンドを成功させていく熱いサクセスストーリーものなのかと思っていた。でも実際には奇人変人な設定を持つ登場人物たちの,下品な言動さえもさらっと飛び出るおバカな掛け合いで笑わせるタイプだった。

つい最近容疑者の妹を守っていたあの人も汚い面してるわ自分の欲望に忠実すぎて周囲の人間を振り回すダメ人間だし,バンドメンバーの他3人も田舎丸出しのギター担当や痔のドラマー,とある事件を機に車椅子生活をすることになったボーカルなど,変な気質の持ち主ばかり。音楽会社の社長も役者のイメージまんまのすべり気味な暴走をするし,よくもまぁこんだけバリエーション豊かな変人を思いつくもんだ。

そして,そんな変人たちを相手に堂々と渡りあう主人公演じる宮崎あおいも,今まで見たことない面白キャラを演じきっていた。冒頭から両目を寄せる顔芸を見せたかと思えば,セクハラ的な言動にも動じず,むしろ言い返したりするし,売れないアーティストの彼氏と気持ち悪いらぶらぶぶりを見せたりして,こんなのもできるんだと,改めて役者としての能力の高さを実感させられた。

笑いの部分は満足なんだけど,その一点ばかりが目立っていて他がおざなりだったのが物足りない。

別にサクセスストーリーものだと思っていたからといって,感動するような演出がなかったとかは気にはしない。ツアー中も演奏は地味だしボーカルは歌うことも立つことも満足にいかないボロボロのコンサートと,前半はとにかくいいことなしで見ていて痛々しくなるシーンが多かったのもいい。だけど,途中からまともなコンサートができるようになってからはコンサートシーンが端折られるようになったのはつらい。
一応はパンク・バンドをネタとして扱ってるんだし,パンクの魅力とかを感じさせるようなシーンがないのはとても残念。とはいえ,こう思うのは去年『DMC』があったから思うことであって,それがなければこれでも満足できたかもしれない。てか,そもそもクドカン作品にパンクの魅力を伝えるような作品を求めるべきか,という疑問もあるかも?

まとめると,とにかく何も考えずに笑いたい,宮崎あおいの新たな魅力を観たいという点に関しては十分に応えた作品で,それ以上を求めるとちょっと物足りなさを感じる作品ってところか。
ラベル:映画
posted by タク at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 2009年鑑賞映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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