2006年12月08日

[cinema]パプリカ

監督:今敏
脚本:水上清資、今敏
原作:筒井康隆
キャラクターデザイン:安藤雅司
音楽:平沢進
声の出演:林原めぐみ、古谷徹、堀勝之祐、山寺宏一、大塚明夫、江守徹
公式サイト:http://www.sonypictures.jp/movies/paprika/


他人の夢とシンクロすることができ,それを映像として記録できるマシン"DCミニ"。あつこは"DCミニ"を使って"パプリカ"という名で非公式に精神治療を行っていた。

ある日,"DCミニ"を開発した"ときた"から"DCミニ"が盗まれたことを知らさせる"あつこ"。そこから研究所の上司である所長が何者かによって"DCミニ"によって,悪夢を植えつけられてしまい,突然奇怪な行動を取り,意識不明の状態になってしまう。やがて事件は他の所員にも広がり,徐々に夢は現実へと介入していく。

あつこは"パプリカ"となって"DCミニ"を盗んだ犯人が誰なのかを探し出し,事件を解決するために夢の中へと潜っていくのだが――。
感想:
映像化は困難といわれつづけてきた筒井康隆の同名小説を原作にしているとのことですが,まず原作を読んでないので,どう映像化が困難なのかが分からないので,「よく映像化できた」とか「原作通り」「原作と違うよ!」とかその辺のことは省略して感想を(^^;

今敏監督作品ということで,この監督の作品は一通り観ていて面白いというか,毎回アニメだからこそ実現可能で,かつ許される非リアリティの表現というものを徹底しているところが好きなので早く観たくてしょうがありませんでした。

今回は,というか今監督の作品は常に夢や妄想と現実を行き来する曖昧な世界観を描いていると思うのですが,今回はこれまでの作品よりもぶっ飛んだ夢の世界を見事に作り出している。さらに,絵と相まって平沢進氏が作り出す独創性のある音楽がさらに夢の世界を危うく,そして混沌とした世界にしていて絵にマッチしている。というか,絵の方が音楽に合わせたという監督のインタビューから,原作を映像化することよりも平沢氏の音楽を映像にするために本作が作られたのではないかとすら思う。そのくらいマッチしていて,そこに合う世界観が今回の『パプリカ』という作品だったのかなという気がする。

映像や音楽といった芸術面は相変わらず素晴らしい。これまで培ってきた作品作りの集大成的なものだったと思うのと同時に,今監督の作品の中でストーリー面が一番弱い作品だったようにも思う。
本作にはあくが強いくせに出てくるキャラクターがたくさん出てくるが,上映時間の短さも相まって,一人一人の個性の描かれ方がとても弱い。そのため,あくの強さで最後まで強引に引っ張ってしまっているように感じた。また,夢の世界の異常性が現実に感染していくに従って各エピソードが完全に単体として描かれるようになってしまい,繋がりがとても曖昧になってしまっている。そのために,ラストに達するまでに一体何が起こっていたのかが分かりにくく,エンディング後も何か物足りない,すっきりしない,自分の中で消化しきれてない,理解しきれていないもやもやを感じた。

今回の『パプリカ』は,アニメという表現による芸術面を楽しめる人にとってはとても衝撃的で楽しい時間を過ごせると思う。しかし,ストーリーを求めすぎるとかなり面食らってしまうので,今監督作品の中でも特に観る人を選ぶ作品であるということを前提として観れば,強烈なイマジネーションによって作り出された映像と音楽の素晴らしさを楽しめると思います。
posted by タク at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 2006年鑑賞映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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