2006年12月25日

[cinema]犬神家の一族

監督:市川崑
脚本:市川崑,日高真也,長田紀生
原作:横溝正史
出演:石坂浩二,松嶋菜々子,尾上菊之助,富司純子,松坂慶子,中村敦夫,加藤武,仲代達矢
公式サイト:http://www.inugamike.com/


第2次世界大戦後の日本。信州の犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛は,遺産の相続人を記した遺言状は弁護士の古館に預けられることとなり,その遺言状は犬神家の家系のものが全て揃った時でないと開封してはならないと言い残して永眠する。
その遺言状の内容から不穏な出来事が起きるのではないかと感じ取った古館の助手の若林は,探偵である金田一に調査を依頼する。しかし,その若林は金田一と出逢う前に死亡するという事件が起きる。

何か大きな事件の前触れではないかと感じる金田一は,古館の元へと向かい,遺言状の公開に立ち会うこととなる。
一方,犬神家の元では戦地に赴いて行方不明となっていた長女・松子の長男である佐清が帰ってくるも,その顔には黒い覆面が被せられていた。

佐清が帰ったことで遺言状の公開をすることとなったが,そこに書かれていたことは犬神家の家系のものではない,佐兵衛がかつて世話になった恩人の孫娘である野々宮珠世に佐清,佐武,佐智の誰かと結婚することを条件に遺産の全てを渡すというものであった。
その遺言状が公開された次の日,犬神家で恐れられていた血の惨劇が繰り広げられることとなる――。
感想:
監督・主演・そのほか一部キャストが30年前の映画版と同じで,あとは現在の豪華キャスト陣でリメイクした本作だが,期待しすぎるとよくない,という典型的な映画だったように思う。

横溝正史の傑作だけあって話の内容自体は悪くない。というか,今でも十分に面白いと思える。そして,30年前の映画版を上映時間は多少短くなっているとはいえ,カメラワークなどまで同じようにしてきてるだけに土台自体は申し分がないと言える。だが,どれだけいい土台があってもその上で演じる役者次第では白けてしまうということを本作では実感させられることになった。

序盤,昔ながらの邦画と言えるようなレトロな始まりから入り,ここ昨今の邦画とはまた違ったものを体験できるのだということを期待させてくれ,その雰囲気に最初は見事にどっぷりと浸かることはできた。しかし,作品が進むにつれて段々と違和感を覚え始める。最初は気にならなかった役者同士のやりとりも,やがて役者Aが動いた・喋った→じゃあ次は役者Bね→はい,といった感じにワンテンポ置いたような動きや台詞のやりとりになり始める。それが一人二人程度ならまだいい。本作は非常に登場人物が多いだけに,メインなどがしっかりやってくれれば脇が演技がお粗末でも構わないと思っていたが,どうも全体がワンテンポ遅いのである。また,台詞や死体に出会った時のリアクションにしても感情などがあまり入っているように思えず,金田一耕介が事件が起きて慌てたり驚いてたりしていても,それがあまりに冷静すぎて,どうにも調子が狂うというかなんというか。

原作よし,映画化にあたって話の展開もテンポよしでありながら,役者のテンポがずれてしまっていることで一気に冷めてしまう。そんな映画だった。
posted by タク at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 2006年鑑賞映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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