2007年08月06日

[ライトノベル]神無き世界の英雄伝

神無き世界の英雄伝 (電撃文庫 か 14-1)神無き世界の英雄伝 (電撃文庫 か 14-1)
販売元 : Amazon.co.jp 本
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[タイトル] 神無き世界の英雄伝 (電撃文庫 か 14-1)
[著者] 鴨志田 一
[種類] 文庫
[発売日] 2007-07
[出版社] メディアワークス..

SFはごく一部の有名どころしか読まず,さらにスペースオペラともなると銀英伝すら読んだことがないので基準は分からないのだが,スペースオペラとしての面白さの一旦を垣間見ることができた。

この作品ではロボットというものは出てこず,あくまで艦隊とその艦隊の頭脳とも言える電子妖精という存在があって,戦闘はすべて艦隊戦で終始する。それだけだと過去にもあるスペースオペラの模写か劣化になりそうなのだが,そこに攻撃を完全に無力化するシールドと,そのシールドを唯一無力化できる電磁波刀の存在によって,艦隊同士が陣形を組んでぶつかり合うという戦闘を生み出し,そのぶつかり合いに至るまでにいかに相手の裏をかいて自軍が有利になるかという戦略性の読み合いをするなど,緊迫感溢れる戦闘が展開される。

この裏を取る戦略の練り合いや,艦隊がぶつかり合う時の緊迫感などは実にうまく描いていて,読んでいるこちらも読んでいて思わず手をぐっと握りしめてしまう。ただ,肝心のぶつかり合いの時に文章の限界なのか,あまり迫力というものを感じることができず,なんだか撃沈なども簡素な結果報告になりがちになってしまったのが残念。いや,全てがよかっただけにこれだけがちょっと物足りなかったために目立ってしまったというところか。この物足りなさを満たすには映像化が必須かもしれないな。

キャラクターに目を向けると,真面目な軍人キャラが多い中で電子妖精という美少女キャラや,主人公の一人の配下になるヒロインらしきもう一人の主人公の妹が反発気味だったりと,ここで萌え要素を入れずにどこに入れるかという下地があるにも関わらず,この作品には萌えという要素がまるで感じない。どんだけ美少女キャラでも,あくまで主人公の戦略サポーターに徹する電子妖精や,常にクールに,決してツンデレなんかにもならない妹君も軍人であることを第一にしているため,萌えというよりかっこいいという感じ。それがとても心地よかった。

そういえば,本作の難点を一つ思い出したが,序盤で銀河連邦に企業連盟という団体が独立戦争を仕掛ける際に主人公二人が企業連盟側についたりしているのだが,連邦から戦艦をもらうのにどうして企業連盟に鞍替えがあっさりできたのかが???でちょいと説明不足だった。

最後に,私見だが表紙のキャラクターデザインにしたって絵が下手っぽく見え,ラノベとしてはあまり手に取って貰える感じがしないと思った。でも挿絵を見ると,どうやらカラーでの塗りがよろしくなかったようで,白黒の挿絵はとても綺麗な感じで絵が上手いと感じる。挿絵のクオリティをいかしつつカラーにできればラノベというジャンルでは強い武器になるのに,と思うと,なんだか表紙で損してるように感じた。
posted by タク at 00:53| Comment(0) | TrackBack(0) | novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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