2007年11月13日

[cinema]ボーン・アルティメイタム

原題:The Bourne Ultimatum
監督:ポール・グリーングラス
脚本:トニー・ギルロイ,スコット・バーンズ,ジョージ・ノルフィ
製作:フランク・マーシャル,パトリック・クローリー,ポール・サンドバーグ
原作:ロバート・ラドラム
出演:マット・デイモン,ジュリア・スタイルズ,デビッド・ストラザーン,ジョアン・アレン,他
公式サイト:http://bourne-ultimatum.jp/

記憶を失った最強の暗殺者,ジェイソン・ボーンの自分探しもついに終焉。
思えば,あのマット・デイモンがアクションを? という懐疑的な気持ちを持ちながら観に行った本シリーズの1作目。帰るころにはマットのアクション俳優の素質をまざまざと見せつけられ,また,これまでのアクション映画ではあまりいなかったタイプのヒーローの誕生に,続編が待ち遠しくてしょうがないという気持ちを植え付けられたもの。それも遂に本作で見納め(4作目の噂もあるが,一応3部作の完結なので)。

監督は前作同様にポール・グリーングラス監督。前作ではドキュメンタリー出身ということで,そんな監督がアクションをやるって迫力がなくなるんじゃ? と不安を抱いていたが,逆にドキュメンタリーの撮影方式をアクションに取り入れたことで,このシリーズの方向性を明確にし,さらにアクション映画の新しい形というものを十分に提案していた。

そんな安心感もあって今回も同様のものが観られるかと思ったが,前作の経験もあってか,役者の動きに合わせて動くカメラ撮りによって生まれるアクションのスピード感,一つのシーンでも複数のカメラから撮影した映像を巧みに編集することによって,安っぽい言葉になるがあたかもその場にいるかのような錯覚を起こさせてくれる臨場感溢れる映像作りは,前作以上にキレが進化しているように感じた。

ストーリーのほうに話を移すと,今までどちらかと言えば逃げに徹してきたのが,前作の復讐を経て,自分の過去を知るためにより活発に行動を続けるようになる。それだけに,シリーズ最終作ということも合わせてボーンが戦う相手はより強大に,巨大になっており,ついにはCIA全てを敵に大胆な知略戦を繰り広げたり,CIAが送り込んでくる強力な暗殺者たちとの死闘はよりスリリングになっている。

本作の見所は全部と言ってしまいたいくらいに見所が充実しているのだが,やっぱり見所なのは今回出てくる暗殺者二人との対決だ。

最初に対決するモロッコにいる暗殺者は,これまで裏をかき続けてきたボーンですら,情報のために助けようとした人物を殺されてしまうほどの狡賢さをもっており,完全に格上のような相手。そんなやつにボーンの仲間が暗殺のターゲットになってしまった時は,直前まで殺されてしまうのではないかとハラハラしたし,いざ1対1の肉弾戦になったときも,相手のアクションのキレの良さにやばいんじゃないか? と本気で心配したほど。
さらには,モロッコからニューヨークに戻ってきたボーンに別の暗殺者(冒頭でもボーンや彼が接触しようとしたジャーナリストを狙撃していたが,対決までには至らなかったやつ)が襲いかかってきて,本シリーズの最大の見せ場とすら言えるカーチェイスシーンが始まるのだが,最終作だけにより派手なチェイスになってもいいようなものの,決して派手にすることなく,リアルな車のぶつかり合いを見せてくれる。派手にいかない演出がいかにもこのシリーズらしく,だけどより迫力あるチェイスシーンに仕上がっており,まさにシリーズの見せ場の集大成といえるシーンだった。

最後には自分が何者かのか,なぜ記憶をなくしたのかという真相に辿り着き,CIAが隠してきた計画をも暴き出したジェイソン・ボーン。その大団円はシリーズ最終作というわりには決して大きなカタルシスを得ることのない終わり方だったが,逆にそれが本シリーズらしいとすら感じた。
ラベル:映画 アクション
posted by タク at 01:02| Comment(0) | TrackBack(1) | 2007年鑑賞映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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