2007年12月15日

[Xbox360]アサシン クリード

第三回十字軍が派遣された12世紀末のエルサレム周辺を舞台に,アサシン教団の一員となって各都市の要人を暗殺するステルスアクションゲーム。開発はフランスに本社を置くUBI SOFTの開発チームの一つ「モントルーユスタジオ」。『プリンス・オブ・ペルシャ』シリーズを作ってきた開発チームのオリジナル大作だけに期待も高まる本作。

その本作をつい先日ようやくクリアしたのでレビューを。なお,プレイしたのはXbox360版で,プレイ時間は30時間弱になります。


街を走る!飛ぶ!フリーラン

このゲームで何よりも楽しいのがフリーランというシステム。
LTボタンを押し続けることで走って移動することができる。そこでさらにAボタンを押し続けることでフリーランという状態になる。このフリーラン,街をただ走り回るだけでなく,建物にしがみついてロッククライミングしたり,建物の上でフリーランすれば建物から建物へ飛び移ったりと,操作キャラクターの能力の許すかぎりどこでも走り回ることができ,これがまた実に気持ちいい。

走り回るだけだと単調ではないか? と思うのだが,その走り回る舞台が12世紀末のエルサレムとなると違ってくる。

次世代機の表現力によって再現された街は,見ているだけでも目を楽しませてくれる。そんな場所を走り回るのだから,雰囲気好きにとっては次々と変わっていく風景も併せてこの上なく楽しめるのではないだろうか。さらに,建物だけでなく,柱の上や木でできた足場なんかにも飛び移って移動することができるので,どこまでフリーランし続けられるか,なんていうアホな遊び方も楽しめる。

ただし,ちょっと残念な点も。それは壁蹴りというものがないこと。
フリーランの状態で飛び回って際,建物に行き着くとその建物の壁から反転して飛んでいるようなアクションをするのだが,意図した動きではないためおかしな挙動をする。建物を飛び移ったりロッククライミングまでできるのだから,壁蹴りによる高い位置へのジャンプなんかもやれるようになってくれたらもっと楽しいだろうなぁ,とそんなことをずっと思っていた。あ,でもそんなことはリアルな人間には無理か? いや,きっと超人ならやれ……ないか。


やれることは少ない,されど奥の深い戦闘システム

海外のレビューサイトなどでは単調と言われていた戦闘システム。確かにやれることは少なくて,ソード・アサシンブレード(隠し剣みたいなもの)・ショートブレード・投げナイフ・パンチの中から武器を選び,あとはボタン連打で攻撃するだけ。他には敵を掴んで投げる程度だろうか。

これだけだとただボタン連打しかやることなくて,アクションゲームとしては単調と言われてもしょうがない出来。だが,そこにちょっとした刺激としてコンボキルやカウンターというものが存在する。

コンボキルは攻撃が敵に当たった瞬間にタイミングよくボタンを押すと一気にトドメを刺すアクション,カウンターは敵が攻撃した瞬間にタイミングよくボタンを押すとカウンター攻撃をするというもの。と,こういう風に説明すると他のアクションゲームでも普通にあるもので,特別なことは何もない。しかし,このゲームではこの2つのアクションは他のアクションゲームと違い,カウンターなどに入るとカメラワークが主人公と敵の2人が中心に映るように演出され,さらにはその場の状況によって攻撃をかわして斬りつけたり,相手の腕を取って投げ飛ばしたりと,キャラクターが自動でかっこいいカウンターを披露する。この瞬間,ゲーム中なのにまるで映画を観ているような感覚に陥り,コンボキルやカウンターをやる度に,今度はどんな動きを見せるのかが楽しみになる。

攻撃系のアクションは上記のとおりだが,他に防御や攻撃を避ける動作もある。

防御に関しては文句はないのだが,避ける動作についてはかなり不満が。というのも,敵の攻撃がきた瞬間にボタンを押して避けるというのは別にいいのだが,それがあくまで後ろにジャンプするだけなのだ。せめて横飛びなんかができれば戦略の幅が広がるだろうに……と思うだけに,ここは残念だった。


もう少し工夫のほしいステルス要素

本作のキモの一つと言えるのが,群衆に紛れて敵の目から逃れるステルス要素。

ステレスゲームと言えば『メタルギアソリッド』や本作と同じUBI SOFTが出している『スプリンターセル』なんかが代表例として挙げられるが,いずれも敵の目につかないように隠れるのが主眼。だが本作は,敵に自分がアサシンであることを悟られなければ目の前を通っても攻撃されることはない。ただし,例えば群衆が見ている横で建物の壁をよじ登ったり,建物から建物へ飛び移ったりと,普通の人からすればおかしな行動をしていると怪しまれ,警戒度があがり,警戒度が一定以上上がるか,敵の目の前で武器を抜いたり攻撃したりすると追われる身になる。

ここまで書くと新たなステルスゲームの方向性を提示したことで絶賛したいところなのだが,問題は追われるようになってから。

追われている状態だと,左上に警戒度を現すランプが赤く点滅している状態になる。その状態の時は延々と追い回されるのだが,一度敵の視界からはずれると黄色状態になる。そして,黄色の状態になってから藁の中に入ったり,ベンチに座る,修道者に紛れ込むなどすると敵の目を誤魔化すことに成功し,その状態でランプが白くなるまで待てばやり過ごすことができるのだが,これはちょっとあっさりし過ぎているというか,ゲーム的すぎるなと感じた。できることなら,怪しげなところを調べるとかしたらもっと緊張感が出て,より慎重に行動するように意識するようになるんだろうが……。この辺は,マジで続編でもう少し練り込んでほしいところ。


数は豊富,されどワンパターンなミッションたち

主なミッションは要人暗殺。だが,そこに至るまでに情報収集のためにいくつかミッションがあったり(これをやらなくても暗殺することは可能だが,よりゲームを楽しむためにはやっておいたほうがいいと思う),街で絡まれている市民を助けるイベントなど,結構な数のミッションが用意されている。ただし,数はあれどミッションのバリエーションが少なく,ワンパターンに陥っているように感じる。

情報収集のミッションは,盗聴・スリ・尋問・情報屋からの依頼の4つがある。これらをこなすことで有力情報を得るのだが,やることはとても単純。

盗聴は近くのベンチに座って対象となる会話を聞くだけ。
スリは盗聴から始まり,その後対象者から情報が書いてあるらしい紙を後ろから盗むだけ。
尋問は対象者のあとをつけ,人気のないところに来たら殴るだけ。というか,人が群がってるところでも可能で,でもまぁ,そうすると他にも喧嘩するやつがきて囲まれて殴られる可能性があるんだが。
情報屋からの依頼は,誰にもアサシンとしてバレないように兵士の暗殺したり,街中に置かれた旗を集めたり,それらを制限時間内にこなして依頼者の元に戻るだけ。

情報屋からの依頼は多少骨があってやり応えはあるものの,それでもやってることは単調な繰り返しのように感じた。できることなら,どこぞの家をがさ入れしたりとか,暗殺ミッション毎に変わった情報収集ミッションがあればよかったのだが,これもまた続編に期待したほうがいいだろうか。

市民救出は,市民に絡んでる敵を攻撃すればミッション開始で,あとは周囲にいる全ての敵を倒せばいいだけ。倒したあとに市民に話しかけるとその街にいる自衛団がその場に来て自分が敵に見つかった場合に助けてくれるようになる。

救出の方法が戦闘しかないので,他の市民救出ミッションがあれば面白いだろうになぁ,と思わなくもないが,それ以外となると何があるかと言えばおつかいミッションくらいだろうか。それもまた微妙なところだ。

あ,ちなみに市民救出をすると,最初はお礼を言われて「いやいや大したことはないでござるよ」と思っていても,その後はイベントフラグ解除されたとばかりにその他の市民になり,兵士たちの死体を見て「なんてひどいことを」みたいなことを呟いていく……。お前を助けるために殺ったんだろうが! と思わずツッコミしたくなる。


総評

オリジナルの大作として期待度も高かった作品だけに,不満要素も数あれど,完成度はかなり高く,他のゲームでは,大作の続編でも次世代機では満足な出来に至ってないものも多い中,よくオリジナル作品でここまで仕上げたなと感心する。だが,同時に次世代機ゲームとしてはインパクトに欠け,「これはすごい」と驚くようなものがない。

面白いゲームとしてうまくまとまっているし,ゲームとして面白いのだが,本作が初めてお披露目されたときはすごいインパクトを持った作品を予感していただけに,ちょっと拍子抜けした感は否めない。
posted by タク at 12:58| Comment(0) | TrackBack(0) | game | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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