2007年12月17日

[cinema]ベオウルフ

原題:Beowulf
監督・製作:ロバート・ゼメキス
脚本:ニール・ゲイマン,ロジャー・エイバリー
出演:レイ・ウィンストン,アンソニー・ホプキンス,ロビン・ライト・ペン,ジョン・マルコビッチ,アンジェリーナ・ジョリー,他
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/beowulf/

現存する最古の英語英雄叙事詩を,ロバート・ゼメキス監督が前作『ポーラー・エクスプレス』と同様にモーションキャプチャー+CGアニメを用いて描いた本作。実写のようで実写でない不思議な映像は,想像以上に圧倒的な迫力をもって英雄叙事詩を壮大に描き出し,そして作品にマッチしていた。

冒頭での人間のアップから中世の宴会シーンになった時,CGによる人間の描写技術の進歩に驚かされた。だが同時に,何故実写でなかったのか? というのがまず第一に感じた。

いくらCGによる人間表現があがったとはいえ,まだまだ実写には及ばないし,これはアニメよりも人間は実写にしたほうが合ってると思っていた。また,今年初めに公開された『300』によって実際の人物を幻想的な背景に埋め込むことが違和感がないことを証明しただけに,実写でやったほうが手間がかからないだろうに,何故そんな手間をかけるのだろうと思っていたが,それは開始数分,グレンデルという怪物の登場で一気に覆すことになった。

このグレンデル,とてつもなくブサイクな格好で,これをリアルにしすぎると醜いを通り越して正視しがたいものになりかねない造形。だが,そんな造形でもアニメっぽい感じにすることで嫌悪感を薄めさせており,全体がアニメっぽい絵作りになっていることでグレンデルが違和感なく画面に存在し,うまく統一感を出している。また,なかなか登場してこない主人公のベオウルフも含めて,実写ではありえない動き,ダイナミックな動きをするので,アニメにしたことでそれらの動作も違和感を感じさせない。この辺は,かつて『マトリックス レボリューション』が実写でやったことでリアクションに困ったラストバトルとは雲泥の差だろうか。

他にも,この作品は若き日のベオウルフと,王の座についた初老のベオウルフの2部構成になっており,若い時期と初老を同一の役者で実写でやると,よほどうまい特殊メイクをしないと厳しいだけに,この辺もCGアニメを選択したことがうまくマッチしていたかと思う。

だが,何よりも一番よかったのが,ラストのベオウルフとドラゴンの対決。この人間vsドラゴンという,ファンタジー好きなら誰もがワクワクするであろうシーンがド迫力の映像で描き出され,実写だと合成感を感じただろうと思えるだけに,まさに作品の性質を考えた結果CGアニメを選んだんだな,と最後には感心するばかり。この映画を観て,かつて映画にするには無理なんだろうと思って実写版で諦めた『トロイ』あたりを再映画化してほしいところ。当然,ホロメスの詩と同様にギリシャの神々も出して。
posted by タク at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 2007年鑑賞映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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