2008年03月03日

[cinema]いつか眠りにつく前に

原題:Evening
監督:ラホス・コルタイ
脚本:スーザン・マイノット、マイケル・カニンガム
原作:スーザン・マイノット
出演:クレア・デインズ,バネッサ・レッドグレイブ,メリル・ストリープ,トニ・コレット,他
公式サイト:http://www.itsunemu.jp/

どんな映画だったかと問われるとうまく説明することができない。ただ,この映画ほど人生というものを前向きに見ているものはないんじゃないか,と思える。

年老い,病気で死を目の前にした主人公のアンが,かつて愛した男性を思い出したことで過去を振り返っていくというお話。そこに今まで知らなかったアンの過去を知ったことで,娘2人が自分の人生を見つめ直したりといったことが絡む,こういうドラマ性の高いものでは(演技派女優が多いことも含めて)比較的見慣れた内容なのではないかと思う。

それだけだとドラマ性のある映画その1程度で記憶にもあまり留めなかっただろうが,『いつか眠りにつく前に』は見慣れたはずの内容にもかかわらず,とても印象深いものを残してくる。

この映画が何より印象的なのが,アンの心情の変化と最後の言葉。

誰もが「あの時なぜああしたのか/しなかったのか」と間違った選択,過ちを犯したのではないかと思うことが多々あるだろう。アンも,ハリスという男を愛したこと,ハリスと一緒に生きる道を諦めたこと,自分が望んでいない人生に向かわせてしまったある過ちなど,死を間際に自分の人生を悔いる言葉ばかりで占めていた。

アンの後悔は,彼女とハリスとの回想を辿るにつれて明らかになっていくが,確かに悔いずにはいられない,己の過ちだとネガティブになっても仕方ない呪縛だなと思う。この辺は正直観ていてつらくてしょうがなかった。

だが,そんな彼女の前にある事件を境に縁遠くなってしまった親友のライラが訪れたことでアンの心情に変化が訪れる。そして,これまで自分の人生に対して悔いるばかりだったアンは,今を生き苦悩する娘にこう告げる。「幸せになろうと努力して。なぜなら,人生に過ちなんてないのだから。」と。

人生の全ては決して正しいわけじゃないけど間違いでもない。自分が生きてきた道を肯定し,その道にある幸せを探せば幸せを手にすることはできるんだ。そんな前向きなメッセージがあの台詞から感じ,思わず涙腺がゆるんでしまった。

本当にベタな言い方になってしまうが,久しぶりに「いい映画だった」と心から思える映画だった。
タグ:ドラマ 映画
posted by タク at 00:50| Comment(0) | TrackBack(1) | 2008年鑑賞映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: 昨日の'''『いつか眠りにつく前に』'''の初日に もう一度映画を見ました。 場所は'''川崎チネチッ..
Weblog: 映画『いつか眠りにつく前に』公式ブログ〜感動伝え隊〜
Tracked: 2008-03-05 11:46
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