2008年03月21日

[ライトノベル]モーフィアスの教室2 楽園の扉

モーフィアスの教室 2 (2) (電撃文庫 み 6-21)
三上 延
メディアワークス (2008/03/10)
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前作で<夢神>やら<夢神>が暮らす<王国>の存在など,この辺の設定部分をもっと深く掘り下げてくれたら面白くなりそうだと思っていたが,その辺のお話は今回はお預け。ついでに最重要キーワードと思われる<赤い目>に関してもほとんど触れることがなく,かなりもどかしい巻だった。

今巻は直人の妹・水穂や,綾乃の親友の棗,綾乃の義理の母親など,直人や綾乃の周囲にいる人物たちとの人間関係,彼女らの思いなどを描くことが主軸になっており,今後彼女らを<夢神>に関することでも絡めやすくするための布石的なお話になっている。

今後も直人と綾乃だけで<夢神>と戦っていくとなるとだいぶもどかしくなるだろうと思っていただけに,今回の布石はシリーズを続けていくためには必要なことだったのかもしれない。ただそんなお話をするにしても,<赤い目>の関するお話がまったく進まず,というのは少々いただけない。

<赤い目>に関して話を進める前に,<夢神>に絡む事件をいくつか体験させて直人の<扉の民>としての地盤を固めておく必要がある,というなら納得できる部分もあるのでいいのだが,そうなると今度は<夢神>に関する展開のさせ方に不満が出てくる。

今回の<夢神>は既に現実世界にきており,かなり狡猾なやつとあって悪夢の根源を探すにも一筋縄にはいかなそうな雰囲気を匂わせているんだが,それはあくまで物語の中の人たちにとってのみ。今巻のメインキャラの描写が出し惜しみすることなく描かれているため,読んでるこっちは誰が悪夢の根源なのか,また直人が悪夢を誰から感染したのといった謎の部分が最初のほうである程度予想することができ,しかもその予想通りにストレートに真相が描かれていく。この辺は前巻のほうがずっと良かった。

結局今巻も不満たらたらだったけど,満足できたところがあるとするなら,ヒロインの綾乃の脆さが描かれていたことや,水穂や棗といったサブキャラの存在が自然にストーリーに絡んでいたことだろうか。それ以外は残念だが,同じ電撃レーベルの『断章のグリム』の劣化という印象だった。
posted by タク at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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