2008年04月16日

[ライトノベル]葉桜が来た夏

葉桜が来た夏 (電撃文庫 な 12-1)
夏海 公司
アスキー・メディアワークス
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ほとんど表紙絵だけで買い決定したわりにはかなり面白かったが,一部設定がとても余計だったり練りこみ不足な点が目立つ作品だった。

この作品をざっと解説しちゃうと,自分の母と妹を殺した種族に恨みを抱いていた主人公が,父親に強引に憎むべき種族の美人さんと共棲させられ,気づいたら懐柔……じゃなくて,歩み寄って仲良くなりましたとさ,めでたしめでたしってところ。

まず主人公がアポストリと呼ばれる女性だけで構成される異星人に対して,その異星人に家族を殺されたことで恨みを抱くという設定は別にありっちゃありだが,アポストリに対する憎悪とかがいまいち弱く,冒頭からちょっとしたことで信念がひっくり返るエロゲの主人公臭を漂わせている。そのため,主人公の心情の変化の過程はうまく順序だてて描いていてよかったが,変化の仕方はあまりに予定調和すぎるため,主人公がアポストリと仲良くやってることを意外に思っていることに対して,思わず「こうなるって分かってました」とツッコミたくなるものだった。

もう一つのケチつけは,アポストリの人たちが普通の人間と比べて格段に身体能力が高いという設定。この設定,活かされるのがせいぜいアクションシーンを派手にするくらいしかなく,何がやりたかったのかと疑問に思うところ。ぶっちゃけこの作品はアクションシーンとは無縁なテーマを扱っていると思ったので,かなりいらない設定だった。

ここまで設定についてケチをつけたが,それ以外に関しては特にケチをつけるようなところはなく,文章も読みやすいし,ストーリー展開は丁寧に順序だてで描いているので無理やり感もなく,さらに味のある脇役によって笑いが生まれたりして,かなり楽しむことができた。

また,作品中の政府が絡むという一幕もあったが,無駄に大規模なテーマを語るわけでもなく,あくまで主人公とヒロインの物語で終始していたのと,その部分はちょっと触れた程度の描写だったので,ちょっと一安心であった。
posted by タク at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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