2008年04月22日

[cinema]フィクサー

原題:Michael Clayton
監督・脚本:トニー・ギルロイ
出演:ジョージ・クルーニー,ティルダ・スウィントン,トム・ウィルキンソン,シドニー・ポラック
公式サイト:http://www.fixer-movie.com/

トラブル専門の揉み消し屋="フィクサー"という言葉を邦題にしたり予告で前面に押しすぎなのは,本作に対して誤解を招きそうだ,と真っ先に思ったサスペンス映画。

主人公のマイケル・クライトンは"フィクサー"と呼ばれる揉み消し屋ではあるんだが,彼が凄腕のフィクサーであるということを実感できるエピソードがない。

彼のフィクサーとしての面は,冒頭で優良顧客の交通事故を揉み消してほしいという依頼があったり,メインストーリーである巨大企業の薬害訴訟を揉み消すはずが良心の呵責で精神崩壊し,逆にインサイダーになろうとしているマイケルの同僚アーサーの暴走を止めにいくくらいだが,片や依頼を断り,片や友人相手ゆえか詰めが甘くて逃げられたりといった具合だ。

フィクサーとしての描写は少ないが,マイケルの家庭事情や勤め先のこと,ギャンブル好きと収入を増やそうと店をやって失敗したことで借金を抱えているといった彼を取り巻く環境については妙に饒舌。前半部分はこれらサブエピソードがかなりの割合で描かれているおり,話の整理をしないと頭がかなり混乱してくる。

サブエピソードには本編に絡む伏線が仕込んであってまったく意味が無いわけでもないし,こういう主人公の背景を描くというのも,主人公を知る上でとても重要だと思う。だが,主人公がある最後の決断に至った瞬間にカタルシスを得るためにも,冷酷だったり汚いことをやってでも事実を揉み消すというフィクサーとしての仕事ぶりをちょっとでもいいから描いてほしかった。

後半部分になるとアーサーが殺され,彼の死を不審に思ったマイケルが徐々にアーサーが暴こうとしていた真実を知り,マイケル自身もやがて巨大企業の陰謀の渦に巻き込まれていくが,前半部分の伏線張りで息切れしたのか,せっかくスリルある展開があってもトーンダウンしていて今ひとつ盛り上がりに欠けるし,ラストのほうはストーリーが投げやり感になってしまっていた。

いろいろ文句を並べてしまったが,どっちかといえばかなり面白い映画。"完璧な映画"とかいう謳い文句が出てくるのも納得できたが,それでもこの素材ならもっと面白い出来に料理できただろう思うと,もう少しがんばってほしい作品であった。


あと俳優陣に関してだが,ジョージ・クルーニーは相変わらず濃い顔の割には淡々とした感じだったのと,ティルダ・スウィントンは助演女優賞を取ったわりには出番もかなり少なく,賞を受賞するほど演技を見せてないんじゃないか? と思ったが……(演技が悪かったというわけじゃないけど)。
posted by タク at 01:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 2008年鑑賞映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして♪まさみと申します。
お邪魔してすみません。
私も映画が好きでブログを
始めました。よかったら
遊びに来てください。
まだ、未熟者ですが
仲良くしていただけたら
うれしいです☆

この映画みました〜♪
最後はスッキリw
Posted by まさみ at 2008年04月22日 17:53
こちらこそはじめまして。
こちらも1年以上やっていますがまだまだ未熟な上に
更新頻度もコメントレスもこのように遅いのであれですが,
また機会があればよろしくお願いします。
Posted by タク at 2008年04月27日 21:29
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