2008年04月29日

[ライトノベル]騎條エリと緋色の迷宮 英国亭幻想事件ファイル

騎條エリと緋色の迷宮―英国亭幻想事件ファイル (電撃文庫 あ 24-1)
秋月 大河
アスキー・メディアワークス
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怪奇事件,強い女性が活躍というと『薬師寺涼子』シリーズを思い浮かべるが,本作はその亜流みたいなもんか。

この作品にミステリーものを期待するのは酷。作者はミステリー好きらしいが,ミステリーらしい展開はなく,美少女探偵が華麗なアクションで活躍するラノベの安直な作りに終始してしまっている。一応,怪奇事件の犯人の正体が誰なのかとか,事件でただ一人主人公だけが生き残ることができたのか,といったものを探る探偵パートは存在するが,その過程での調査や推理で真実に到達する部分はかなり唐突。この辺は某週刊誌の探偵もの漫画に通じるものか。

また,『薬師寺涼子』の亜流と考えても,金や権力がないと絶対できないような罠や,結局アクションで事件を解決してしまう流れになってしまったのはがっくり。怪奇事件ということで,犯人が人間でなくて化け物って時点でアクションは回避できないのかもしれないが,アクションの比率があまりに多すぎて,展開が安直すぎる。さらに,そのアクションに爽快さが感じられないのもがっかりポイントだった。

かなりマイナス面が目立つ作品だったが,キャラクターの性格付けは結構好きな感じに仕上がっていた。ツンデレ気味なヒロインや,二重人格な幼女,年齢不詳のメイド,主人公の後輩など,よりどりみどりの属性を集め,それぞれがでしゃばることなく,しっかり属性なりの役割をこなしているあたりは読んでいて楽しく読むことができた。

ただ,主人公の性格だけはどうしようもないほどに救いようがない。幼いころに両親を殺されたことで心に傷を持っているというバックグラウンドがあるのはいいが,問題はそのことを楯にしてステレオタイプな不幸自慢キャラになっていること。何かにつけてその過去を持ち出しては重要な決断から逃げまくるチキンキャラは,もうすぐ物語が終わるってところでようやく払拭されるが,その他の数少ないよかった点を合わせても消し去りようがないくらいのストレスを溜めさせられた。
posted by タク at 14:35| Comment(0) | TrackBack(0) | novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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