2008年04月30日

[ライトノベル]θ 11番ホームの妖精

θ―11番ホームの妖精 (電撃文庫 と 10-1)
籘真 千歳
アスキー・メディアワークス
売り上げランキング: 8369

はるか上空に存在する東京駅11番ホームを舞台にしたちょこっとSFの入ったほのぼのドラマ。

何より魅力なのが主人公の少女と,彼女の相棒のしゃべる犬の漫才会話。少女のボケに犬がすかさずツッコミを入れたり,ちょっと挑発的なことをされると言葉だけは立派で初心そのものの反応をする犬を見て楽しむ少女など,息のあった漫才を展開してくれ,久しぶりにキャラクター同士の会話というもので楽しむことができた。

そのほかにも出てくる人物は数少ないが,個性豊かな性格付けをされたキャラクターが登場し,そのどれもが好感の持てるキャラばかり。ライトノベルを読んでおきながらキャラクター比重の高いものを毛嫌いする自分だが,この作品に対してはキャラクター比重が大きいことが逆に功を奏した。

それと,ちょこっとSFの入った世界観だが,予想以上にできがよかった。
ライトノベルは,意外と壮大な設定を施しておきながら詳細はめちゃくちゃ曖昧すぎだったり,訳の分からない理論を展開したりしてくれることが多いが,今の時代では考えられないようなワープ技術が世界の交通網を変えたというちょっと未来の世界について,そのワープ技術のSF的な解説や,その他世界情勢,政治的なものなど,かなり考えて作られているようで,それらを語り口はとても丁寧で分かりやすく,かなり満足のいくものだった。

予想以上に良作であるが,ただ残念なのがイラストに魅力がないこと。ライトノベルは,よくも悪くも表紙買いっていうイラストの魅力で本を買わせる面があると勝手に思っているんだけど,本作はライトノベルのターゲットが好むような綺麗なイラストではなく,かなり雑。表紙のほうはまだ良いのだが,ページを2,3ページめくった途端,現在の標準的なオタク向けな絵からは明らかにはずれたものがカラーで登場するため,その点で損をしているように感じる。

かなり面白いオリジナル作品だし,次回作なども出せそうな終わり方をしただけに,もう少し売れる絵にしてあげてもよかったんじゃないかと,読み終わったあとつくづく思う。
posted by タク at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/95241217

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。