2008年05月31日

[ライトノベル]紅

紅 (集英社スーパーダッシュ文庫)
片山 憲太郎
集英社
売り上げランキング: 650

久しぶりにアニメを見て原作を購入。アニメ版とは違った雰囲気があってなかなか面白い。

アニメ版は比較的明るいつくりになっていたけど,原作のほうは主人公の真九朗の心理描写の比重が高く,しかもかなり暗い方向なため,だいぶ雰囲気が違う。アニメと同じエピソードがあっても,真九朗の心理が描かれていることで,同じ場面でも違うシーンのような新鮮さを感じる。なので,後追いでも十二分に楽しむことができた。

一番よかったと思えるのが,真九朗の心理の動きや,紫と徐々に気持ちを通わせ合い,お互いを大事な存在にするまでの過程の部分。多少階段を踏み飛ばしているものの,理不尽な展開はなく,比較的丁寧に描かれているため,この手の描写があるラノベにありがちな「おいおい,そんなことであっさり覆るのかよ」的なご都合ぶりに対する飽きれをあまり感じなかった。

アニメとの細部の違いを楽しめた反面,九鳳院家の衝撃的な秘密が明かされるところでアニメを先に見ていたことをちょっと後悔。アニメでは,序盤からその辺の設定を匂わせたり明かしたりしていたので,読む前から知ってしまったことで秘密が明かされたときの驚きがなかった。なんだか既に種明かしをされた手品をもう一度見させられた気分で,できれば何も知らずに読んで驚きを得たかったな。

原作を読み終わって思ったことは,青春小説にラノベの設定を肉付けしたボーイ・ミーツ・ガール小説であるということ。結構な文量(それでいてさらさら読める)といい,文章表現といいラノベっぽさを感じず,どこか古めかしい青春小説を読んでいるよう。絵はともかくとして,終わりのほうのバトルさえなければ普通の青春小説としても通用するんじゃないかと思った。
posted by タク at 21:34| Comment(0) | TrackBack(0) | novel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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