2008年06月07日

[cinema]ミスト

原題:The Mist
監督・脚本:フランク・ダラボン
原作:スティーブン・キング
出演:トーマス・ジェーン,マーシャ・ゲイ・ハーデン,ネイサン・ギャンブル,ローリー・ホールデン
公式サイト:http://www.mistmovie.jp/

衝撃のラストという言葉=がっかりムービーという図式が成り立つ今,『ミスト』にとって衝撃という言葉は生易しいと感じるくらいショッキングなラストが待っていた。

『ミスト』はスティーブン・キング原作のホラーなので,見た目がグロテクスなモンスターが人間を襲うシチュエーションの映画になっている。

このキング原作でモンスター映画という組み合わせは,映画化にしろTVドラマにしろ,過去成功した例を見たことがない。とりあえず期待してみてもB級どころかC級映画で終わることが多いものにばかりで,そのたびにキング原作は回避するべきだと実感する,の繰り返しであった。

だが,本作は得体の知れないモンスターたちに襲われるという,あまりに強大で理不尽な暴力に対する本能的な恐怖をうまく演出しており,この手の映画で怖いと思える要素をうまく盛り込んでいる。

また,後半からはモンスターたちによって極限状態に追い込まれた人間たちが正気を失って狂気に囚われいき,前半とはまったく別の顔を持った恐怖へとシフトしていく。この狂気の沙汰は,ともすれば誰でもそうなりうると思うと,人間って想像以上に怖いものだと感じさせる。

そんなまったく異なる2つの恐怖を見せた後,原作にはない衝撃のラストが展開される。そこから交わされる激しいエゴのぶつかり合いは,人がどれほど傲慢であるかということを否でも応でも思い知らされるし,主人公が取った最後の決断にやりきれないものを感じ,そしてあまりに非情な展開に絶望する。

今年はやたらと救いようのない暗い映画が多いが,そのどれよりも救いようがない。確かにこれは衝撃的なラストだし,だがそんな言葉では生易しい絶望感をもたらし,このショックは当分忘れられそうにないくらいのインパクトがあった。

過去2作のキング映画で成功を収めてきたダラボン監督だが,近作を見ても感動的なストーリーのあるヒューマンドラマばかりだっただけに,まったく違うジャンルで平気なのかと不安であったが,取り越し苦労だったようだ。
ラベル:映画 ホラー
posted by タク at 00:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 2008年鑑賞映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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